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        メールマガジン 「語ろうか、手話について」

Note.75                                             2006年 7月12日発行
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  こんにちは、梅雨のせいか、体調不良の徳田です。
  季節の変わり目、特に暑くなっているためか食べ物にあたってしまったよう
です。子供じゃないんだから、と自分でちょっと情けないです。

  相変わらず本業が超多忙なので、「語ろうか」の配信はしばらく不定期にさ
せて頂きます。本業は秋には一息、来年早々には終結の予定ですので、冬の討
論集会ぐらいまでは、のんびりとお楽しみください。

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  ところで、全通研の夏集会in愛媛には、皆さんは参加されますか?
  本業多忙ではありますが、私はなんとか参加する予定です。もしかすると、
ドタキャンの可能性はありますが。

  四国に行くのは幼稚園以来。今後もそんなに行くことがないであろう事を考
えると、四国で皆さんに会う機会はこれが最初で最後かもしれません。

  もし、直接「語ろうか」に対して、文句、意見を言いたい方は、夏集会で会
いましょう。私は分科会はどこに申し込んだか、自分でも思い出せないぐらい
なので、たぶん、いつもは物品販売コーナーあたりにいます。交流会にも参加
予定です。書籍販売担当者会議があるので、U35は都合が良ければ参加してい
るかな... とにかく、私がいるところ、常に読者の集い状態と言うことで。

  申込み締め切りも延長されましたので、都合の良い方、ちょっと頑張れば都
合が良くなる方、是非、愛媛でお会いしましょう。
  http://blog.goo.ne.jp/himetuken-1989/

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  さて、本題です。

  先日、全通研千葉支部(通称: 千通研)で、厚生労働省の人を招いての講演会
がありまして、メタボリックシンドロームと自立支援法の話を聞きました。
テーマの組み合わせがすごいのですが、講師の方は両方に関わっていたそうで
とても興味深い話が聞けました。

  メタボリック症候群の話も面白かったのですが「語ろうか」では省略します
ね。興味ある方は、今月の最終金曜日に発行予定の千通研の支部だよりを何と
かして入手してください。

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  で、自立支援法ですが、講師の方は応益負担という言葉は使わないのですが
有料化はどうしても実施しなければならないと強調していました。いくつか理
由を示していましたが、私が特に関心を持ったのは、以下の2つの理由です。

  1. 無料のままではデータが集まらないので政策が立てにくい。
  2. 障害者がお金を払うことで、国民全体で負担することの理解が得られや
     すい

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  まず1ですが、介護保険と比較して、従来の措置制度などでは、どこにどれ
だけお金がかかるのかわかりにくいのだそうです。
  介護保険では、点数化され、何がどのぐらい必要かがデータとして上がって
くるので、それならば来年度はこの事業にこれだけの予算が必要だ、というこ
とが決めることができるそうです。

  一方、手話通訳はどうかといえば、手話通訳者の人件費というのは、国とし
ては正確には把握できないそうです。メニュー事業の一つとして行われれば、
他の事業とのごちゃまぜの状態で金銭処理が行われるので、いったい手話通訳
そのものにいくらの予算が必要なのかわからないし、また公務員となっている
行政職員が手話通訳者として活動していれば、その費用はまったく国としては
把握しようが無いわけです。

  これは手話通訳者の身分保障の問題にもつながってきます。
  無料化と言えばユーザにとっては聞こえはいいが、制度として確立・維持す
る場合に、その予算的裏付けをどうするかを考えると、お金が流通しないとこ
ろには予算を分配する根拠となるデータがない。それでは行財政改革が進んで
いる今の情勢では、そういう事業は自然と淘汰されてしまうのは必然だろうと
いうわけです。

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  次に2ですが、その講師の方が強調していたのは「自立支援法は最終目標で
はない。地域での共生が最終的にあり、この法律はその過程。まだ不十分な点
はあり、見直しは必須」ということで、財政的な裏付けも「今後の議論が必要
である」と言っていました。

  「今後の議論」とは? それは増税です。

  支援費制度もそうですが、現状の福祉サービスというのは、今のまま続けて
いけば破綻することは明らかなんだそうです。つまり、このままいけば、金の
切れ目が縁の切れ目で、極端な話、福祉関係者が全員失業して、お給料がもら
えない事態になってしまうわけです。

  それをなんとかしたのが、介護保険。全国民の40歳以上からお金を取ること
で、介護が必要な人に対するサービスを提供するようにしたわけです。
  介護保険料って、税金ではありませんけど、国民から見たら増税みたいなも
んです。税金か保険料かなんて、我々にとって見ればどうでもいいことで、お
金が取られることに変わりはないのですから。

  で、桁がちょっと違うと言えども、自立支援法は障害者福祉一般の財源を解
決しようとした法律なわけで、付帯的に「財源をどうするか?」という話が出
てきます。講師の方は精神障害が専門だそうで、精神障害は自立支援法でよう
やく他の障害と同様の扱いがなされるようになったとのこともあり、サービス
自体が存在しなかったり、これからだったりするとのことで、手話通訳よりも
はるかにお金が必要な分野なんだそうです。

  それで財源ですが、講師の方は有料化の問題は、障害者だけの話ではないと
強調していました。財源はすべての国民で負担すべきものであると。

  となれば、全日ろう連や全通研が言うような「通訳は双方向コミュニケー
ションだからろうあ者だけ負担するはおかしい」とか「講演会で手話通訳がつ
いたら、参加したろうあ者だけ利用料を取るのか」なんて話は前提が吹き飛ん
でしまいます。なぜなら、「双方向だから全国民から取るよ」「ろうあ者だけ
でなくて全国民から取るよ」と言っているのですから。

  そんなわけで、単にろうあ者から取らないけど消費税が倍になるとか、自立
福祉税とか、自立保険料なんてものができて「国民全員が負担して制度を確立
するのか、それともサービスを諦めて負担を軽くするのか。皆さんはどのよう
に考えますか?」とのことでした。

  ですから1割負担も、「消費税が6%になるといって、それが障害者のためだ
といって、納得できる国民がどれぐらいいるだろうか。もし、わずかな額でも
障害者自身も払うと言えば、消費税を上げることにも納得してもらえるのでは
ないか」という話でした。

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  とても興味深い講演でしたが、話が大きすぎて、感覚が麻痺してしまいまし
た。だって、我々に増税の決定権があるわけでも無し、議員を選ぶ選挙権が
1票だけあるにすぎませんから。

  ただ、最近のニュースを見ていると、いずれ消費税は上がるようです。それ
が7%か10%かはわかりませんし、福祉目的税化するかどうかもわかりません。

  ただ、もし、手話通訳制度が無料のまま突っ走ってしまうと、たとえ消費税
が上がっても、自立支援法の予算制度の中から外れてしまった事業になってし
まえば、恩恵を受けられない。
  つまり、ろうあ者だって消費税は取られるけど、それが手話通訳に生かされ
ないかもしれないってことです。1割負担どころではなく、取られ損です。
もっとも私のような健聴者はどうあがいても取られ損ですけどね。
  もうちょっと言葉を変えると、今、無料化にこだわったばかりに、地方税の
枠組みで対処せざるを得なくなれば、全国的な対処は不可能であるばかりか、
貧乏な市町村は手話通訳は自動的になくなってしまうというわけです。

  逆に、もし、自立支援法の流れに乗るのなら、介護保険のホームヘルパー並
には仕事として確立し、全国的に整備される可能性も出てくるわけです。

  もう一つ、付け加えるなら「取られ損」をどう考えるか、です。
  これを「社会全体で負担する、つまり優しい社会を実現する必要なコストと
考えるのはいかがでしょう」と講師の方は言っていました。
  なにかにつけ募金をやっている全日ろう連や全通研会員にしてみれば1割負
担ぐらい、消費税増税ぐらいはとっとと受け入れた方がいいのかもしれませ
ん。その代わり、手話通訳制度の全市町村での確立や生計を立てられる仕事と
しての手話通訳者を作ることに力を入れるべきなのかもしれません。

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  では、次回の不定期の語ろうかをお楽しみに。

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