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        メールマガジン 「語ろうか、手話について」

Note.45                                             2005年 7月27日発行
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  こんにちは、なんとなく涼しくてホッとしている徳田です。
そんな気の緩みからか、先週のNo.は、107の間違いでした。夏は暑くないと、
と思いつつも、暑いのは苦手です。

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  今週は、先日開催された日本手話学会大会について、つらつらと感想を書き
ます。私の主観で書くので、興味のない部分はざっくり省略しています。

  日本手話学会大会案内
    http://www.jasl.jp/info/taikai.htm

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  日本手話学会の31回目の大会が7月16、17日の2日間、千葉大学で開催されま
した。それほど大きい学会でもなく、加えて近年はだんだん申し込みが少なく
なっているようで、今年は発表件数は20件弱、1件あたり20分発表、10分の質
疑応答とかなりゆったりしたものになりました。(かれこれ10年ぐらい昔に、
私が発表した時は、15分しかもらえなかったような気がする。)

  千葉で開催するということで、私も宣伝関係でいくらかお手伝いしてまし
た。今回は特別講演として、手話の脳科学研究の第二世代リーダーと言われて
いるBellugi先生の講演があるということで、あんまり参加者が少ないと寂し
くて申し訳ないと言う理由から、人集めに頑張りました。おかげさまで、会場
全体は、なんとなく人が埋まるような状態になりました。参加された方には感
謝いたします。

  私自身は、現時点の脳科学にはあまり興味がないのですが、Bellugi先生の
講演は通訳の介在しても、その研究のセンスの良さが伺える内容で、さすがア
メリカで「できる」と言われる人は違うなぁ、と思いました。私自身の英語聞
き取り能力が全然ダメなんで、内容は通訳がいなければ理解できませんし、通
訳を介せば当然色々と情報が変質しているとは思うのですが、それでも研究の
進め方の説明や、例示する手話や、話の構成は、あーなるほど、そういうこと
ね、と思わせるものばかり。逆に、大会本編の日本人の発表の方が、いくら資
料を読んでも、何言ってんだかわからないものがあったりして、センスという
ものをつくづくと思い知らされた次第です。

  Bellugi先生は最初は手話を全然知らなかったそうです。それでも、立派な
研究成果が出せるのはすごいですね。

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  大会の本編では、16件の発表があり、今年は千葉大が頑張ったので、いくら
か工学分野の内容が増えてましたが、やはり言語学系のテーマが多かったで
す。面白いもの、内容はすごいけど興味は引かれないもの、わけがわからんも
の、トンデモ(非科学的とか、ナンセンスなもの)の4つに独断と偏見で分類す
ると、面白いものはわずか3件。でも「トンデモ」も1件しかなかったので、全
体的にはそれほど質は悪くなかったのではないかと思います。私が面白くない
と思っても、質疑応答で盛り上がったものもいくつかありましたし。それから
どの発表がトンデモかはあえて言いませんけど、参加された方は、会場の雰囲
気から明らかでしょう。あれには参りました。

  私の独断の評価で面白かったのは、今里さんの「手話はCL言語か?」、原先
生の「新しい手話に対するろう者と手話学習者による容認度認定の違いについ
て」、森さんの「フィリピンのろう教育史とフィリピン手話」です。

  今里さんの発表は、手話というとCL、という風潮にけんかを売るようなタイ
トルですが、内容はかなり実直で、CLと言っても、中にはもっと分解できそう
なものがありそうだ、というもの。つまり、形態素の見直しがテーマで、特に
結論は出していないものの、提示された問題点はなかなか興味深い物がありま
した。特に私が、最近の「語ろうか」で扱おうとしていることに、だいぶ関係
しているだけに、私としては、最も興味深い発表でした。

  原先生は、トリビアの泉で「青い」のモデルになった人。発表内容は、新し
い手話に対して、ろう者と健聴者では、違和感を感じる程度に差があるのか、
というもの。数値による結果が示されていたので、私のようなデータマニアに
はたまらない内容でした。結果は、ある意味当然なのですが、ろう者の方が自
信を持って判定しているように思われるというものでした。となれば、気にな
るのは、日常的に手話を使ってはいても、身体的な特徴は健聴という、コーダ
は、どのように判定しているかということ。これについては、今回は2名の
コーダにしか協力が得られなかったので統計が出せなかったそうです。今後の
発表に期待です。

  森さんはラフな格好で登場。クールビズかと思ったら、フィリピンの公式衣
装なんだそうです。発表はフィリピン手話とろう者社会に関するサーベイで、
会長の意地というか、さすが会長と言うべきか、内容と手際の良さに感心しま
した。なにより、わかりやすい。これは、どの発表にも言えるのですが、テレ
ビ電話での手話伝送に関する中園さんの発表など、わかりやすいものは、内容
も良かったように思います。

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  今回は、初めて学会の司会というものを担当しました。時間がマキマキで、
どこで回復させようかと思いましたが、どーにもならないもんですね。JRの回
復運転のようにはいきません。参りました。しかも、質問が全然出ない時は司
会がなんとかしなければならないと言うことで前日は必死に論文を読んでまし
た。文意を読み取るのに苦労しました。この苦労を考えれば、次に自分が論文
を書くことがあれば、わかりやすく書けそうです。

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  来年の日本手話学会は、同時期に京都の手話研修センターで開催されます。
そう、あの研修センターです。私も久しぶりに京都旅行かな。

  では、次回の語ろうかをお楽しみに。

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