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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

Note. 1                                             2004年 6月 9日発行
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  皆さん、こんにちは、徳田です。

  だいぶご無沙汰してました。何があったというわけでもないのですが、机を
買いました。写真をWebに載せて自慢したいぐらいのいい机で、これでバリバ
リ原稿を書くぞー、と思ったのですが、荷物がどんどん積み上がるばかり...

  ということで、リハビリを兼ねて、短い文章でも毎週(できれば...)出して
いこうと思うので、どうぞ、よろしくお願いします。

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  リハビリ原稿第一弾は、訃報です。

  コロムビア・トップさんが亡くなりました。6月7日(月)午後8時31分。呼吸
不全でした。82歳。本名は下村泰(シモムラユタカ)。下村議員と言った方が通
りがいいでしょうか。そう、元参議院議員の下村議員です。

  私のPCの中に保存してあった古いホームページのデータに下村議員の名前が
ありました。それを引用します。1993年12月27日の国会答弁の記録とのことで
す。

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  下村議員 
    今回のこの政治改革というのを承っておりますと、どちらかというとも
    う選挙制度のことばかりに集中しているようなんですね。それならば、
    それなりに私は伺いたいと思うんですが、つまり選挙制度の中で、私は
    10年来言うているんですけど、障害者の方に向かって何もされていない。
    総理、10年間ですよ。ちょっとも進んでいない。例えば政見放送をやり
    ます。私はもう前から、耳の不自由な方のために手話通訳をつけてくれ
    と。塩川正十郎さん、あの方が自治大臣の時にはある程度前向きのこと
    私は前向きという言葉は嫌いなんですが、ある希望の持てるお答えが出
    てきたんです。それ以来まるきりだめなんですよ。 自治省に伺いますと
    いろんなことを言うんですが、それはなぜだろうか、まず自治省答えて
    下さい。

  佐藤自治相 
    下村委員から長い間この問題について御指摘があったことを私も聞いて
    おるわけでございますが、結論を出さなきゃいかぬところまでかなり来
    ているのではないかと私も思っておるわけでございます。
    どこが難しいかと言いますと、一つは放送局の技術的な問題がございま
    す。これは細かいことでございますけど、手話をなさる方を含めてやる
    ということになりますと2台のカメラで撮らなきゃいかぬというような
    ことで、公平性をどうするかという問題等があったり、それから政治用
    語というのは、なかなか難しいものですから、そのあたりの統一性等も
    とらなきゃいかぬというような問題もあるようでございますし、やはり
    お話になっている方の意思というものが手話を通して正確に伝わるため
    にはなかなか技術的に、ある程度意訳でしようがないのかなということ
    の御了解をとらなきゃいかぬ等々、下村議員の方が専門かとは思います
    けれども、今日まで自治省の中で政見放送研究会というのをずっとやっ
    てきまして、結論をなるべく早めに出さなければいかぬところに来てい
    るというふうに聞いておりますので、一つなお一層頑張らせて頂きたい
    と存じます。

  下村議員 
    ちっとも出ていませんね、今までの答から。一番私が言いたいのは、そ
    れじゃろうあ者同士は意味が通じていないんですか、手話でお互いに話
    し合っている人たちは意味が通じていないんですか。それは。通じてい
    るからこそ手話というものがあるんじゃないですか。
    それともう一つ、自治省が間違えているのは、日本語のあり方と手話の
    文化のあり方を両方一緒くたにしているんです。我々が喋るような具合
    に手話ができない。例えば「ながら」という言葉があります。何何をし
    ながら、この表現がない。ところが手話同士の方は、タバコをふかしな
    がら歩くというのは、こうやればすむんですよ。喋ることの方が時間が
    かかるんですよ。手話同士の方が早いんですよ。そういう手話独特の文
    化というのがあります。その方たちが政見放送をしている方の横でどん
    どんやればお互いにろうあ者同士、耳の不自由な人はわかるんですよ。
    それをめったやたらに理屈をこねているのが自治省のあり方なんですよ。
    おそらく、自治大臣はおわかりにならないと思うんです。専門家、
    ちょっと来て下さい。自治省の専門家が来て答えて。

  佐野政府委員 
    政見放送研究会におきまして、色々検討をして頂いておるところでござ
    います。現在の検討状況等につきましては、先ほど大臣の方から御答弁
    を申し上げたところでございますけれども、研究会でのいろんな検討の
    過程におきましても、例えば政見放送によく使用されますような用語の
    標準化、普及、それからその研修のあり方をどうするかとか、それから
    政見放送での手話通訳者の確保の責任主体のあり方をどうするか、こう
    いうようなことにつきまして現在色々御検討頂いておる段階でございま
    す。

  下村議員 
    あんたも同じじゃないの。検討検討ってボクシングやっているんじゃな
    いんだよ。どうしようもないな。本当にもう。
    それじゃ例えば、細川総理がここで喋りました。聞いている皆さん一言
    一句全部覚えてられますか。おそらく正確に覚えてないでしょう。どう
    ですか。いえますか。
    一番いい話が十人並べておいて、誰それが、どこそこで怪我をしたよ、
    次のものが喋っていく、次のものが喋る、これ、伝令ゲームというの。
    一番最後のものは死んじゃうんだ。いかにいい加減かということです
    よ。言語を覚えているのが。してみれば、むしろ、手話通訳の皆さんの
    方が正確に伝えているわけでしょう。ろうあ者同士で。それを何でいつ
    までも検討、検討といっているのかね。本当に情けないな。やってみた
    ら、一回。何にもやってないんだよ。何にもしないでただ検討、検討っ
    て。だから、ボクシングやっているんじゃないって、僕らがいうのはそ
    こなの。ボクシングというのは殴りあうんだよ。だったら、検討する方
    に原稿を渡しておけば、その方はあらかじめきちんとそれを掌握するで
    しょう。そうすると、ろうあ者同士の持っている文化で手話文化という
    のがあるんだから、お互いがわかるはずなんだ。それをいつまでも検討
    と。 10年前と答が同じなんだ。何をしとるんだ、本当に。ですから、
    せっかく連立内閣というのは、あれでしょう、それぞれ違った党が全部
    集まっているわけでしょう。そしたら、皆さん方の中に自治省と言うの
    と違う感覚を持った人がいて、やらせますくらいのことをいってみたら
    どうですか。どうですか、自治大臣。

  佐藤自治相 
    下村委員のお怒りは私もごもっともだと思っております。ただ、委員、
    今言われましたように、ろうあ者同士で喋るというのは政治用語を喋る
    わけでないですから。佐野部長から今答弁がありましたように、そのあ
    たりのことをびちっとしなきゃいかぬことと、現実の問題としましては
    この頃解散から選挙までが非常に短いものですらか、そのあたりの技術
    的な問題、我々の政見放送でもかなり放送局に迷惑をかけているわけで
    すが、そのあたりのこともちゃんとするように、いずれにいたしまして
    も言われることは私よくわかりますので、更に早急にとりまとめを急ぎ
    まして、私の在任中にできる限り実現しますように努力をさせて頂きま
    す。

  下村議員 
    まだ頼りないな。まだ頼りない。今、選挙用語といいましたが、そんな
    難しいことを言っているんですか、選挙用語の中で。

  佐藤自治相 
    政治用語です。

  下村議員 
    政治用語だってまだそんなことはないと思いますよ。政治用語って。全
    部日本語じゃないわけじゃないでしょう。日本語なんですよ。しかも字
    引の中に出てくる熟語よりもっと簡単な言葉を使っているはずですよ。
    それをあなたがわからないということはない。
    どうですか、総理。これだけ言ってもわからないからどうしようもない。

  細川首相 
    大至急やるように検討致します。
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  このあと、1994年6月に政見放送研究会が「手話はOK、字幕は困難」という
報告書を出して、政見放送に手話通訳がつくようになります。もちろん、コロ
ムビア・トップさんだけの働きでそうなったわけではないでしょうけど、だか
らといって、トップさんの功績が目減りするわけではありません。

  ご冥福をお祈りします。

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  リハビリなのに長くなりました。でも、今回はほとんど引用なので、書いた
のはわずか10行ちょいぐらいですけど。今後も短いのと、長いのを取り混ぜて
お送ります。

  では、次の「語ろうか」をお楽しみに。

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