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             _/_/ メールマガジン 『語ろうか、手話について』   _/_/
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No. 97                                              2004年 3月24日発行
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ

  皆さん、こんにちは。定期総会シーズンを前に、資料作りに忙しいはずの徳
田です。とかなんとかいって、いまだあんまり書いていなかったします。やば
い、やばいのですが、語ろうかも3月に1本も出していない。これまた、やばい
ということで、ちょっと予定外ですが、最近の思うことについて書きます。

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  皆さん、新聞って読みますか? 私は購読しなくなってからだいぶ経つのです
が、Webなどでニュースはチェックしています。  私は大学の学部生ぐらいま
では朝日新聞しか読んだことがなかったのですけど、インターネットでニュー
スが読めるようになってからは、マスコミそれぞれの特色というのがよくわか
るようになった気がします。事実だけを淡々と知りたいのなら共同や時事、ち
とインテリチックな意見が読みたければ朝日、週刊誌的な情報なら読売や、ス
ポーツ紙系、細かいレポートを読みたければ毎日、お金の側面からは日経、そ
して全般的には京都新聞ってところでしょうか。朝日を読んでいた時期が長い
からというわけではありませんけど、私は特定のマスコミを目の敵にバンバン
叩く心情はよくわからなくて、伝える側の責任も大きいけど、受け取る側も賢
くないといかんだろうと思います。

  そんなわけで、我々手話に関わる者が読んでいる新聞といえば、日本聴力障
害新聞、通称「日聴紙」です。あれって、どうよ? というのが今回のテーマで
す。

  日聴紙で、私が好きなのは「手話の窓」と「話題のひと」です。前者は冷静
に状況を説明し、バランスよく各界の意見を採り上げ、提示される結論も10年
後によい結果を残すような意見でまとめられています。1面の下段にある「増
幅器」が「おいおい、そりゃ、一方的すぎるだろう」とつっこみを入れたくな
るのとは対照的です。手話の窓では、一時期、手話コーラスについて取り上げ
ていましたが、聞こえる側にも聞こえない側にも耳の痛い意見を採り上げなが
ら、すごく妥当な落としどころを探った論調に、とても感心したのを覚えてい
ます。でも、いつの間にかなくなったちゃったんですよねぇ。
  「話題のひと」の紹介欄はレポート記事としてよく書けていると思います。
私がこんなことを言っても、「何様のつもり!」なんて言われそうですけど。
でも、本人を目の前にして、必要十分な情報を偏りなく伝えるってのは難しい
と思うのですよ。それに、今月の記事の流れからしてこの人を取り上げること
はわかるけど、あんまり話が出てくるような人じゃないよなぁ、と思うことで
も、なんとかあのスペースの記事にしているのはたいしたもんだと思います。
全通研の支部で機関誌を作っている私にしてみれば、あれだけ書くのはすごい
なと思います。

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  さて、褒めるのはここまで。

  今月は気になった記事が2つあります。

  まずは1枚開いたところの免許の記事。警察庁が聴覚障害者の協力の下、運
転の安全性の実験をしたというものです。で、この記事の題字が「何をいまさ
ら...!?」

  それってあんまりですよね。だって、いまだに聴力検査で落ちちゃう人がい
るわけで、そういう人にも道を開く実験かもしれないわけでしょ。それを「い
まさら」ってことはないんじゃないの? って思います。
  記事がまずい場合は記者だけの問題と思いますが、題字ともなると編集者な
ど複数の人間が関わっているわけですよね。つまり、日聴紙としては免許問題
は終結しちゃっているんでしょうねぇ。

  いいのか、それで?

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  もう一つの気になった記事は、1面の盲ろう者宿泊拒否。

  宿泊拒否はアイスター系列のホテルが元ハンセン病患者の宿泊を拒否した事
件から、マスコミに流れやすくなりましたが、日聴紙で取り上げているのは岡
山の温泉旅館が、盲ろう者団体250人の宿泊を拒否したものです。今年の11月
に盲ろう者の全国大会があるそうですが、打診段階で断ってきたとのこと。
で、それでもなんとかと言ったら、問題が起きても責任を問わないという一筆
を書いてくれと言ってきたので問題がさらに大きくなってしまったようです。

  宿泊拒否も、一筆署名もそれはそれで重大な問題です。どちらかというと後
者の方がすごい問題でしょう。そして、報道機関としては、この事実を伝える
べきですが、この日聴紙の記事を読むと、旅館、そして旅行業者の意見が全然
載っていないんです。盲ろう団体や関係者からの一方的な「たこ殴り」状態。
これって、報道としてはどうよ? と思います。なにはともあれ、両者の言い分
を載せることぐらいは基本中の基本ではないかと思うのですが。

  さて、他の新聞はどうかといいますと、有力新聞は毎日発行していますから
その後の謝罪会見などを追いかけているのは当然として、あとは各紙の努力で
どれだけ色々な意見が載せられるか、調査報告がなされているかに特色が出て
います。

  ちらっと調べた範囲では、読売と朝日の記事が見つかりました。まず、読売
新聞では、全国のいくつかの旅館業組合に取材し、いくつかの団体から「安全
性の面から断る場合もあるだろう」という意見を引き出しています。旅館業者
としては、それが正直なところなんでしょう。噂によれば、当の旅館は、当初
250人全員が盲ろう者と思っていたそうです。そんな誤解をしていれば、大変
というか、受け入れ不可能と勘違いしてもしょうがないでしょう。
  もう一つ朝日新聞は、日聴紙のように関係者意見で占めてはいるのですが、
ある盲の弁護士さんによる「旅館が袋だたきのような目に遭うことは望まな
い」という意見を載せています。このあたりが、煽(あお)るだけではなく、報
道機関としての良心を感じさせます。

  私としては、どこかのメルマガで指摘していた、旅行業者はいったい何をし
てんのよ、という意見が気になっています。そもそも、こんな旅館を紹介した
責任があると思うのですが、まだそこにつっこんでいる記事は見かけません。

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  そんなわけで、日聴紙って、すごく注意深く読まないと、情報が読み取れな
い新聞だなぁ、て思います。まぁ、大なり小なり、どんな新聞もそうなんです
けど、情報を解釈する能力が鍛えられる新聞だなぁ、と、今回の日聴紙の2つ
の記事を読みながらつらつらと考えた次第であります。

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  ところで、手話と聴覚障害関係ならなんでも流れてくるDEAF-Newsでも報道
されていませんけど、今月半ば、生活保護から学資保険を積み立てていた裁判
の最高裁判決が出ましたが、原告の亡くなった父親が聴覚障害者だってご存じ
ですか? いや、それだけなんですけどね。裁判自体は聴覚障害に起因する話で
はないので、ただ、雑学程度の話題ですけど。

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  次回こそは県名の疑問の回答編になります。なんだかんだで、結構、沢山の
情報が集まりまして、編集に苦労しています。結構、バッサリ削らないと形に
ならないので、せっかく一生懸命に書いていただいたメールが沢山よせられま
したが、カットされそうな方にはあらかじめ謝っておきます。ごめんなさい。

  では、次の「語ろうか」をお楽しみに。

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