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             _/_/ メールマガジン 『語ろうか、手話について』   _/_/
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No. 91                                              2003年 5月21日発行
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ

  皆さん、こんにちは。いつも使っているノートPCをとうとう壊してしまい、
急な出費に泣いている徳田です。
  天気の話をして、いざメルマガが発行されたときに、全然違っていたらどう
しようと思いつつ、天気の話ですが、5月というのに、肌寒い日が続きます。
私の手話サークルは、日曜日に地元ろう協と一緒に歩行者天国で出店と募金活
動をしたのですが、もう寒くて寒くて、年末の赤い羽根をやっているような気
分でした。私は、出店のポップコーンの機械に張り付いて暖まってました。
おっと、これはオフレコで...

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  さて、最近、私は、めっきり手話の力が落ちてしまって、3回に1回は聞き直
しているような状態です。日常的に使わないというのもありますし、元々それ
ほど手話ができるわけでもないのに、ごまかしごまかしやってきたので、そろ
そろボロが出ている感じです。そんなわけで、少し悔い改めて、先読みをせず
に真面目に手話を読み取ろうとしているのですが、いやー、なかなか厳しいで
すね。
  そんなわけで、少し手話から離れた話題で、今回は「組織」をテーマに取り
上げます。最近は、どっぷり全通研活動にはまってしまっているので、この手
の話がすごく楽に書けます。「組織の話なんて、徳田も焼きが回ったな」と思
うかもしれませんが、ま、そうかもしれません。でも、まだ諦めたわけではな
いので、手話の力が戻ってくるまで、しばらくがんばってみます。

  それから、今日の話は、掲示板とあわせて読むと、なんとなくどこの団体の
ことか、誰のことか予想がついてしまうかもしれませんが、それは本稿の意図
するところではないので、それは皆さんの胸の内にしまっておいて欲しいなぁ
と思います。

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  組織の話をしようと思ったきっかけは、掲示板の次の投稿でした。
  (少し加工してあります。)

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  [Tさんの投稿から]
  タイトル: 協会って?

 母は、現在所属する青森県の中途失聴者協会が自分に役に立たないと思っ
  て退会を申し出たそうです。そうしたら、協会の担当者が、どうしても辞
  めないでくれ、せめて名前だけ残して会費だけは納めてほしい、って言い
  に来たとか。なんか違うんじゃないですか? なぜ辞めたいのかを聞き、
  辞めたいと思わせることを改善する努力をすることが本来の姿ではないん
  でしょうか。それをせず、金だけは払ってくれだなんて…。
  何のために存在する協会なんでしょう。
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協会を改善していくようにすべき、という意見はもっともなんですが、なかな
か難しいことです。最初に、この意見を読んだとき、私は「協会なんて、そん
なもんじゃないの?」と漠然と思っていたのですが、つい最近、個人宛に次の
ようなメールをもらいました。(これも少し加工してあります。)

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  [匿名さんから徳田宛のメール]

  青森の「中途失聴者難聴者協会」についてですが、ここは設立して、まだ
  3年足らずの団体です。そして、先ほど「青森県はろうあ協会の影響力が
  強い」ということを申しましたが、青森県における「聴覚障害者の生活と
  権利」について活動を続けてきた団体は紛れも無くろうあ協会であるため
  に、後発団体である「中途失聴者難聴者協会」は、現在はまだ会員も少な
  く、地力があるわけではないので、いろんな意味でろうあ協会に遠慮しな
  がら活動しなくてはならない部分もあるようです。
 何より、いままで「青森県の聴覚障害者はろうあ協会へ」と言えたものが
 難聴協会が出来たために、会員をとられてしまう懸念もあるでしょうし…。
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匿名さんは、このようなことを突然説明してもわかってもらえるか、それに自
分はろうあ協会にも難聴協会にも関わっているので、立場を考えると、表に出
ると困ることがあるので...でも「そのままにしておいて双方が誤解されると
いうのは、やはり辛いことでもありますし…」とお悩みの様子です。

  そんなわけで、第三者の私がでしゃばって言ってしまいます。

  「こんなことはよくあることです。そんな悩むことないですよ。」

ある団体によって、個人が不当におとしめられているというような問題が起き
ているのなら、なんとかしなきゃと思いますが、今回は単に団体から抜けるの
入るのという話ですから、あとは「当人がどうしたいか」の問題だと思うので
す。他人がどうのこうの言ってもしょうがないですよ。Tさんの「何のための
協会?」という疑問ももっともですけど、でも、その答えは、単に「難聴協会
の力が弱い」だけです。どうのこうの言っても始まりません。いっそのこと、
自らの手で、その弱っちい担当者を引きずり降ろして、組織改革していくのも
とても難しい仕事ですが、やりがいがあるのではないかと思います。

  かく言う私も、組織改善ではあまり自慢できる話もなく、まぁ、石川県での
県サ連での活動はうまくいった方ですが、手話サークルでは2回ぐらい失敗し
てます。組織運営のノウハウというのは、たぶん、あると思うのですが、どう
やれば習得できるんですかね? あちこちでリーダーが不足していることを感じ
ます。団体を作るまでは誰でもできますが、うまく運営していくのは大変難し
い。前述の青森の難聴協会も、たぶん、どうしていいかわからないんだと思う
のです。状況や経過に合わせて、外部と交渉し、内部をまとめ上げる技は、
いったいどうやれば身につくのだろうかと思う今日この頃です。

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  ところで、話は突然飛びますが、なんで団体を作るのでしょうか。なんでわ
ざわざ憲法にまで結社の自由が唱われているのでしょうか。それは、民主主義
の世界では、数こそ正義だからです。憲法の下に日本国民は平等ですけど、意
見が通るかとおらないか、力を発揮できるか無視されるかは、個人が所属して
いる団体の力、組織力に依存します。それはまさに数の論理です。

  青森のように、難聴協会とろうあ協会の仲が悪いなんてことは、あちこちで
見聞きしますが、この手の話を聞くたびに思うのです。「そんなことをしてい
る場合じゃないでしょうよ」と。ただでさえ少ない聴覚障害者です。まとまら
ずして、どうしようというのでしょうか。聴覚障害者の国政議員がいない現状
で、バラバラになる余裕なんかないと思うのです。

  アメリカにはAARPという団体があります。日本語訳すると「アメリカ退職者
協会」となるそうです。つまり、お年寄りの団体です。私もあまり詳しいこと
は知りませんが、年を取れば誰でも入れるらしいのです。今現在の会員数は
3000万人を越えており、アメリカも高齢化社会になってきていますから、会員
はドンドン増えていっているそうです。

  そうなると、どうなるか?

  並のアメリカの政治家は、AARPには逆らえないそうです。そりゃそうです。
全米すべての州に支部を持ち、献金額は80億円以上。老人にたてつくような発
言があれば、ウン万人から抗議の手紙、電話、FAXが届くような体制を持って
いる団体なんですから。よほどの理由がない限り、AARPの意見を聞くことこそ
が投票で選ばれた政治家の使命だと思うのではないでしょうか。

  振り返って、日本の手話関係団体を考えると、もし、全国の手話サークルと
ろう協が結集したら、これはとてつもない団体になるでしょう。全国で手帳を
持っている聴覚障害者は30万人。全通研が1万人。手話サークルが、その10倍
ぐらい。あわせれば、だいたい40万人ぐらいになりそうです。これは共産党
(約38万人)、公明党(約33万人)を抜くんです。政党が作れる数なんですよ。そ
れだけの力を我々はまとめきれずに、どこかで無駄に消耗しています。それは
とても残念なことだと思いませんか。
  確かに団体ごとの特性があるのも事実なので、必ずしも1つの団体になれ
ばいいというわけでもないでしょう。その代わり、複数の団体の複合体であっ
てもいざというときに足並みをそろえられる体制にしておく必要はあります。
とにかく、現状では、聴覚障害者団体は全然足並みがとれていないし、全通研
と全要研も、また然り。手話サークルに至っては、全国組織さえない。今年の
代議員会で年次報告を聞いていても、なんか毎年さえない結果の繰り返し。あ
れもこれも数の力があれば、どうにかなるのになぁ、と思います。

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  今回はあまりまとめられませんでしたが、とりあえず、個人から見て役に立
つ団体を選択して、いざというときには自分でいじってみるのも面白いですよ
ということで。

  では、また会う日まで。

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