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               _/_/ メールマガジン 『語ろうか、手話について』  _/_/
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No. 66                                              2001年11月21日発行
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ

  こんにちは、1週間ぶりのご無沙汰です。

  なんとか今回は新作原稿として11月の徒然埋め草を出せました。あと、Dpro
のことを書いているのですが、連休中に書ければ来週出せるかな? というとこ
ろです。年末に超忙しくなりそうなので、歴史関係の記事を再配信させて、少
し余裕を頂こうと思っていますので、ご了承下さい。

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  今月最初ぐらいの話です。久しぶりに山手線に乗りました。車両によっても
違うのかもしれませんが、今の山手線は、混雑時には座席を折り畳んでより沢
山の人が乗れるようになったり、手すりが多かったり、暇つぶしに見るための
液晶テレビがドアの所に付いていたりします。テレビといっても、内容は広告
や天気予報、ニュースが流されているだけで、普通の番組が見られるわけでは
ありません。
  それでも、東京の変わり映えのしない景色を見るよりは、ボーとその液晶テ
レビを見ていたりします。

  その中に「手話のワンポイントチェック」というのが流れていました。内容
は、わずかに2単語だけ。「(背が)高い」と「若い」の手話でした。

  一体、どうしてこの2単語なのか??? 

  昔、公共広告機構(AC)が、女優の西村知美さんを起用して「助けて下さい」
の手話だけのCMを作って、「画期的だ」「あれだけか」「もっと他にやること
があるだろう」など、なんやかんやの話がありましたが、この山手線のワンポ
イント手話は、久しぶりに、本当に訳がわかりませんでした。誰が、あの手話
単語を流そうと決めたのか、ご存じの方がいたら教えて下さい。

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  手話関係の集まりで真面目な話になると、よく出てくる決まり文句に「手話
だけ勉強するのは良くない」というものがあります。手話と共にろう者の生活
やろう運動も知らなければならない、という意見です。

  あまり昔は疑問に思わなかったのですが、千葉に引っ越してきて都会の様々
な状況を見ているうちに、この決まり文句が、私の頭の中でもやもやと引っか
かるようになってきました。
  まだ、それを明確にパッと説明できないのですが、一つ思うことは「ろう運
動が強調され過ぎている」ような気がします。

  あまりろう運動を主張しないという点では、Dproという団体の考え方が1例
としてあげられると思います。Dproの主張があまり全日ろう連や全通研で受け
入れられないのは、言語研究を強調するあたりに一つの要因があると思うので
すが、それはそれで画期的な意見だと思っています。Dproもろう運動を無視し
ているわけでもなく、というよりは、従来の行政交渉や市民運動中心だったろ
う運動とは、形を変えただけで、また別のろう運動を展開しているのだと私は
認識しています。
  私は、それよりももっと過激に「誰も彼もが、ろう運動にこだわりすぎ」と
思うのです。

  確かに、ろう運動により得られた成果は多大な物があります。運転免許然り
差別条項の撤廃然り、施設の建設然り。しかし、その延長上では、この先の運
動は息切れしてしまうのではないかと感じています。

  石川県で最初に手話サークルを設立したのは、北野さんというろうの女性で
す。もう20年以上前の話です。北野さんは、自分の子供が熱を出し、病院に連
れていきました。その帰り際に、医者から「次は話ができる人を連れてきて下
さい」と言われて、とても悔しかったそうです。それで手話を広めたいと思い
手話サークルを作ったそうです。

  そんな素朴な動機から手話サークルを設立できた昔と比べると、今は全然状
況が違ってきています。手話サークルはそこらじゅうにあり、本やテレビやビ
デオといったメディアで手話が流れ、勉強できる環境があります。手話そのも
のにしても、ろう者的な手話と難聴者の手話というものがあることもわかって
きました。通訳するための資格もできています。

  そんな中で従来のような活動が果たして、有用なのか? と、もやもやした感
じがするのです。無駄とは言いませんけど、初心者やこれから育つ人にとって
必要以上に敷居が高くなっているような気がするのです。

  それと、今の若いろう者の変化もあります。良くも悪くも口話教育のおかげ
で、若い人には日本語に堪能な人が多いです。それに聴覚障害者は他の障害に
比べて就職率もよく、福祉という枠組みで援助を必須としている人が少ないと
いう事情があります。そのような現状において、介護保険がどうとか声高に叫
んでいる全通研のような活動は、果たして有効なのかと思ったりします。無駄
とは言いませんけど。

  私が物心ついた時と比べても、コンピュータは店で普通に売られるぐらいま
で科学技術が発達し、牛丼が24時間280円で食べられるまで物流が発達し、中
学生が小学生を殺してしまうまで人の心も変わってきています。そういう時代
にあった活動ってものがあるような気がするんです。バシッと言えないのが、
なんとも歯がゆいんですけど。

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  IT講習会をご存じでしょうか?
  前内閣の堺屋経済企画庁長官が唯一残した有意義な置きみやげと思われる政
策です。これは、まったく、パソコンを使ったことがないような人を対象に、
E-MailやWWWが使えるようになるまで講習会を無料で受けられる講習会です。
上限として12時間以内という制限があり、内容もマウス操作から始まるという
かなり初歩的なもので、もう、このメルマガを受け取っている人には必要ない
ものだと思いますが、まだ、E-Mailも使ったことがない人には、とても有用な
講習会だと思います。

  IT講習会について、総務省のホームページは以下の通りです。
  http://www.mha.go.jp/it/index.html

  この実施主体は、各都道府県、市町村です。でも、その費用はすべて国から
補助されます。ということで、全国でほとんどの地域でIT講習会が行われてい
ます。皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

  このIT講習会が、来年の2月で終わりになります。残り3ヶ月です。しかし、
残り3ヶ月にして、かなりの市町村では受講者がいないような状態が起きてい
るそうです。

  さて、聴覚障害者向けのIT講習会はどのようになっているのかというと、こ
れは実施主体の都道府県、市町村に任させています。ですから、県レベルで障
害者向けの講習会を開き、市町村では開かないと言うところもあるようです。
ですが、普通の講習会でも受講生が少なくなっている今、聴覚障害者向けの講
習会をどんどん実施するチャンスだとも言えるわけです。受講していない人が
たくさんいる地域では、是非、受講をお薦めするのはもちろんですが、それを
支える者として、今まで行政との折衝をしたことがない人にも、開催されるこ
とをお勧めします。

  ということで、私の関わったIT講習会のことを話します。残り、3ヶ月です
から、これを参考にして、1人でも多くの聴覚障害者が受講できればいいなぁ
と思います。

  私の住む八千代市は人口16万人の小さな市です。財政はかなり困窮している
のですが、IT講習会は国から全額補助金が出るこということで、実施すること
は今年の3月には決まっていました。

  私がIT講習会のことを知ったのは、昨年のだいぶ遅い時期。友人のPC講座の
講師の仕事をしている人から聞いたのが最初です。その時は、「ふーん、そん
なものがあるのか」と思っていたのですが、年が変わり、市民広報紙にIT講習
会のお知らせが載った時「ん、聴覚障害者への対応はどうなるんだ?」と思っ
たのです。それが4月ぐらい。八千代市自体が動き始めたのも遅かったのです
が、私の頭の中で聴覚障害者とIT講習会が結びつくのもちょっと遅かった感が
あります。

  ところで、八千代市は、市の障害者福祉協会に手話通訳者が設置されていま
す。市役所と福祉センターが隣同士の建物で、通訳者さんもなるべく市の職員
と接触を持つようにしていることもあって、IT講習会のことはすでにご存じで
した。それで、市の聴覚障害者団体(八千代市では「言聴部」という名称がつ
いています。でも、今は「聴言部」となっています。ややこしい話ですが。)
と相談したそうですが、その時は、市からは「20名程度で1つのコースを作る
ので、それだけの人数を集めて欲しい」と言われ、言聴部との相談では「それ
ほどの受講者はいないだろう」ということで、3月の段階で1回は見送りされて
いました。

  話がちょっと戻って、4月の話です。私の頭の中で、IT講習会と聴覚障害者
の受講が結びついて、手話を主体にしたIT講習会ができないか、と話を言聴部
設置の手話通訳者さん、そして手話サークルにもちかけたのです。聴覚障害者
を対象としたPC講習会は、日本聴覚障害者コンピュータ協会の教育部というと
ころにかなりのノウハウがあるのですが、残念ながら私はあまりここには出入
りしていなかったので、とりあえず講師は私が手話を交えながら説明し、足り
ないところは手話通訳者さんに補ってもらい、個人の進捗度合いの格差は手話
サークルの人の応援でなんとかしようという絵が頭の中にありました。

  思えば、私は八千代市に来てから、クリスマス会や納涼会のようなイベント
でのゲーム担当はやったことがありますが、それ以外の団体間の調整が必要な
活動は初めてで、実質的なデビュー戦でした。たまたま自分の得意分野での話
ということはありますが、思いついてから素早く動いたのは、石川県での活動
経験のたまものと思います。(ちょっと自慢が入っています。すまんです。)

  さて、八千代市の場合は、手話通訳者さんが市の担当者とつながりがすでに
あったということもありますが、さらに幸運なことに八千代市は講師と補助者
をボランティアでなんとかしようと思ったのです。講師料として1コースで数
万円出るので、かなり良いバイトとも言えるのですが、こちらからアプローチ
しやすいという点で、かなり幸運でした。

  講師と補助者の面接が始まったのが5月。日程調整が2ヶ月ほどあり、私も2
回ほど市の担当者と会っただけで、話はかなりスムーズに進みました。という
のも市との交渉を設置の手話通訳者のFさんを窓口として一本化したので、私
は全面に出ませんでしたし、言聴部への呼びかけも手話通訳者さんやってくれ
たからです。それに、市としても予算的な問題はないし、普段から話をしてい
る通訳者さんと話をすればいいので、お互いに気楽に準備を進められていった
のでした。

  そうなると問題は私の方で、PCを知っているとはいえ、それと教えるのは別
問題。友人の講師の講習会を見学し、進行方法を覚え、普段使わないような機
能をボチボチ使い、そして本職の仕事の休みの取り方を調整したのでした。そ
して、市には教室形式でPCを設置すること、ホワイトボードを2枚用意するこ
とを依頼しました。

  その後、調整の結果、夏のお盆の期間に集中的に3時間x4回の講習会を行う
ことが決まりました。私も有休で休むのは1回だけ。受講生も18名が集まり、
順当にIT講習会開催となったのです。

  ただ、問題はいくつか残りました。まず、PCの配置が要望した形式ではなく
島形だったこと。このため、複数の手話通訳者が必要となりました。もう一つ
は補助者への注意事項は特にしなかったのですが、人によっては、私の意図と
は違うことを助言してしまったりして、受講生が混乱することもありました。
打ち合わせは、もうちょっと念入りにやらなければな、と思いました。

  いくらか混乱した場面はありましたが、なんとか4回の講習会は終了。その
後、元々受講生は個人でPCを持っていないという事情もあったので、どれだけ
の人がE-Mailを活用するようになったのか、わからないのですが、私自身は自
信がつきました。やってみれば、どこでもできるもんだと思ったものです。

  IT講習会は、予算が国から出るので、行政との交渉がかなり楽です。受講す
れば役に立つという点でも、有用です。残り、3ヶ月ですが、まだ受講されて
い方、実施されていない地域では、是非お勧めの講習会です。

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  連休中、事故には気をつけましょう。
  では、また来週。

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