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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

No. 35                                              2001年 2月28日発行
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  みなさん、こんにちは。
  2月も今日で最後ですね。例年ですと、この時期はのんびりできるのですが
今年はなぜか忙しかったです。その話は来週します。公開日記のようになるで
しょうけど、たまにはそれも面白いでしょう。

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  さて、今回は5回区切りですので、昔の私を振り返ります。テーマは、また
しても県サ連です。

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  先日参加した討論集会で他の県の様子をいくつか聞く機会があったのですが
県サ連のように都道府県レベルで1つの連絡組織を作っている所と、県内をブ
ロックに分割して組織を作っている所、そしてそんなものはない所と3種類に
分類できるようです。分科会でレポート発表されていた静岡の場合では、県内
のサークルの数も多く横に広い地形ということもあり、県内を3つのブロック
に分割し、その中でサ連を作っているそうです。定期協議の手間を考えると、
その方がフットワークも良さそうですが、今度はサ連同士の連絡が疎になった
り、県レベルでの活動に結びつきにくいという問題があるそうです。神奈川は
県サ連ですが、設立して間もないためか、参加サークルが少なく、全通研やろ
う協と対等に活動できるまでにはなっていないという話でした。サークルの総
数が多すぎると活動がままならないという参考例かなと思いました。
  私が現在住んでいる千葉には県サ連はありません。千葉市に市サ連というも
のが、県内全てサークルを把握しているのは千聴障連で、サークルや全通研の
ような健聴組織は、そのネットワークに頼り切っている状態です。

  そんな状況を見ていると、石川県の県サ連はうまく機能している方だと感じ
ます。それは「語ろうか」のNo.30でもお話ししたとおりです。でも、良い面
ばかりかというと、そうでもありません。4月の定期総会になると「このまま
でいいのかなぁ」と思っていました。今日は、そんな県サ連の負の面を見てい
きます。

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  元役員が言うのもなんなんですが、県サ連の活動で一番疑問に思う瞬間は、
新しくできたサークルに県サ連加盟のお願いに行くときです。何人かで、その
サークルの定例会におじゃまして「是非、県サ連に入って一緒に活動していき
ましょう」と言うのですが、口ではそう言いながら「一緒になんて言っても、
会うのは年に2回ぐらいだよなぁ。」なんて不謹慎なことを考えていたりもし
ます。いったい何のために加入してもらうのか? 県サ連はサークルをまとめる
組織であるわけですが、サークルの立場からすると、それに何の意味があるの
か見いだせないことがあります。私はこれを「メリット・デメリット論」と呼
んでいます。県サ連に加盟したからには、何らかのメリットがあって然るべき
であり、もしなんのメリットもないのなら加盟しているとこに意味はないとい
う理屈です。いや、メリットがないだけならまだしも、県サ連と言えば、いつ
も「協力」だの、「寄付」だの要求されるだけで、県サ連がサークルに対して
何もしてくれない、という意見もあります。

  もう一つ、「コストに対する効果論」(またしても勝手に命名)というものも
あります。石川の場合、サークルの会員5人あたり1000円の会費を県サ連に納
めてもらっています。だから、30人のサークルならば、年会費は6000円です。
これだけ払っているのに、サークルに来るのは事務連絡と広報誌ぐらい。サー
クルに対して6000円分の価値が戻ってきているのだろうか? という意見です。

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  県サ連の設立動機が、ろうあ大会を開催するためにサークルの一致団結した
協力が欲しいと言うものであったことはNo.30で述べました。この理由からし
ても、県サ連がろう協の「支援団体」としての役割が大きいことはしかたない
でしょう。つまり、県サ連が無くなって一番困るのはろう協ということです。
なぜなら、県サ連がなくなれば、今までは県サ連だけを相手に話を進めれば良
かったものが、数多くのサークルを個別に相手しなければならないからです。

  ですから、自然と県サ連の活動はろう協を向いたものになります。10の議題
があれば、9.7までろう協や全通研との話です。サークル関係の話はかなり軽
くなってしまいます。

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  なんとなく事務局で活動してきた私も、2年ぐらいすると、この状態はまず
いなぁと感じるようになっていました。ちょうどその頃、あるサークルが上記
のメリット論を唱えて県サ連を抜けたり、また別のサークルが会員数の減少と
聾唖者が来てくれないことを理由に解散するといった事態が起きました。この
ようなサークルの問題が解決できなくて、何のための県サ連か、と憤慨半分、
情けない気持ち半分で、何かしようと思いました。ちょうど県サ連の会長が替
わることになり、過去を忘れて新しいことをするには都合が良かったというこ
ともありました。(でも、良い事は言い訳なんかせずに、とっとと始めるべき
ですよね。)

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  とは言っても、手話の技量もなく、あまり人脈もなく、立場も県サ連の事務
局の単なる書記(のわりには、色々やらされていたけど)の私ですから、できる
ことは限られています。

  そこで、まず始めたのが、事務局会議の送付です。事務局会議は毎月行われ
県サ連がどう動いているのか話し合われる重要な会議ですが、それまでは、ま
ともに内容が会員に伝わる手段は確立されていなかったのです。大きな議題が
あってサークルからの返事が必要なときにはFAXで各サークルに連絡されるこ
とになっていましたが、それ以外の、情提の準備会はどの程度まで話が進んで
いるとか、通訳設置推進委員であんな話があったとか、カレンダーをいくつ注
文しようとか、誰とかが結婚したからお祝いしなけりゃならんとか、そういう
話が全然外に出て行っていませんでした。だから、サークルにしてみれば、突
然カレンダーの注文票が来て驚いた、ということになります。本来なら、情提
の活動資金捻出の話が準備会であって、それには物を売ろうという話が出てき
て、それならカレンダーはどうだと提案があって、それでは各サークルに協力
を依頼しようという流れを全ての会員にわかってもらわなくてはならないので
すが、それができていませんでした。事務局会議は秘密会議ではないのですが
誰も外に情報を出さないので、結局、会員からも事務局では何をやっているか
わからない状態になっていました。

  それで、毎月行われている事務局会議の内容をNo.30で紹介したような議事
録にして毎月きっちり各サークルに郵送するようにしました。ついでに、わか
りにくい部分は補足の文章を入れるようにしました。

  これはかなりの労力が必要で、時々休みながらも2年程度やりました。その
結果は目に見えるようなものはなかったのですが、1回だけ、あるサークルの
役員から「今年になって送られてくる記録は、とても役立っている」と言われ
たことがあります。たぶん、他のサークルもそう思ってくれていると思ってい
ましすが、残念ながら、それ人以外からの反応はありませんでした。

  でも、振り返ってみると、あの事務局通信をやっているときは、脱退だの、
協力に対する不満といったような事は少なかったような気もします。
  今は私は石川を離れてしまったのでわかりませんが、たぶん、今も引き継が
れているはずです。

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  もう一つやった事は、代表者会議でのサークルからの意見収集です。年に2
回ほど、各サークルの代表者と事務局が集まって、今、県サ連が抱えている議
案を話し合う場があるのですが、それまでは「今度の福祉大会のチケットを売
るから協力してくれ」とか「情提の説明会をやるからサークルの時間をあけて
おいてくれ」といった、要請ばかりでした。

  そこで、ある時、代表者会議の司会を私が担当になったことを機会に、そう
いう要請や報告議案はさっさと終わらせ、残った時間で、サークルの様子を聞
いていきました。その時は、たまたま、私の手話サークルに小学校からの手話
コーラスの指導依頼が来ていたので、皆さんのサークルではこのような話にど
う対処しているか、という話から始めました。すると、出てくる出てくる。い
つもは、おとなしく聞いていただけの代表者が、うちは以前大失敗したから全
部断っているとか、とにかくろう協と話し合って交渉するべきだ、などの熱意
ある意見が次々と出てきまた。

  本来県サ連に求められているものはこれなんだ、と私は確信しました。サー
クルでの問題を県サ連に上げ、それを他のサークルの意見を参考にしながら解
決する。それは県サ連でなくてはできないし、やらなければならないことなん
だと。

  ただ、代表者会議の議題はいつも多く、いつも時間は足らないぐらいです。
そこで、別の機会を設けました。それは年1回開催している一泊研修会の分科
会です。一泊研自体はそれまでも行われており、2日目の午後には3つの分科会
を開いています。それまではろう運動に関する話し合いを3つ行っていたので
すが、その1つを模擬サークルにしました。これは普段の学習会の様子を再現
してもらい、その改善案を話し合ったりしようと言うものです。その話し合い
の過程でサークルの問題なども討論されます。これはかなり好評で、私が県サ
連からいなくなっても続いているそうです。

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  しかし、基本に立ち返って考えてみると、この2つは正常な組織ならば絶対
に欠かせないことであり、こんなこともできていなかった県サ連自体がおかし
かったと思います。組織のあり方として、もっと他の団体(例えば労働組合と
か、ボーイスカウトとか)を見習う面はあるでしょう。悪い面を見習う必要は
ありませんが、他の団体の良い面は積極的に取り入れていきたいと個人的には
思います。他の団体について、どうやって知るのかが難しいのですが、どなた
か良い方法があれば教えて下さい。

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  そんなこんなで、やってきている県サ連ですが、今でもどうにも解決策が思
いつかない問題があります。(文が推量形なのは、私がすでに石川から離れて
いるので現状がわからないからです。もし、解決できていたら、教えて下さい
ね。○○さん!)それは「県サ連 = 事務局論」です。本当はサークル会員全て
が県サ連会員のはずですが、単に「県サ連」というと事務局員のみを指してし
まう意識。つまり、自分も参加しているという意識が希薄なので、県サ連なん
て無くてもいいとか、県サ連は自分とは関係ないとか、県サ連って何? という
人が多いという事実です。これが最も深刻で重要な問題でしょう。

  県サ連をわかってもらおうと、県サ連のしおりという物を作ったのですが、
作成コストが高すぎて、全員に配布はできませんでした。費用の問題が解決す
ればいい方法だと思うのですが、残念です。

  冗談としては、全員を役員にしてしまえ、なんて言うこともありますけど、
現実的ではありませんね。でも、ほんと、役員なんてあまりたいしたことして
いないのに、色々なことが勉強できるので、機会があれば、是非やるべきもの
ですよ。

  やはり、県サ連はサークル同士の情報間の場であり、サークルが困っている
時に手をさしのべられる団体であるべきだと思います。健聴者組織としてどう
あるべきかとか、全通研との分担は、なんて話はさておいて、とにかく、サー
クルが健全に存在するために自主的に問題解決ができる力量は持つべきでしょ
う。ろう協からの連絡役だけなんてあまりにもったいないと思います。

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  さて、各地の県サ連情報は、個人的にいつでも募集していますので、皆さん
の地域の情報をお寄せ下さい。いくつのサークルが参加しているとか、役員は
どんな感じかとか、どんな活動をしているとか、問題点とか、最近抱えている
議案とか。参考資料としてまとまったら、増刊号でお知らせしたいと考えてま
す。どうぞよろしくお願いします

  では、また来週。

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