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             _/_/ メールマガジン 『語ろうか、手話について』   _/_/
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No. 32                                              2001年 2月 7日発行
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  皆さん、こんにちは。いよいよ討論集会直前ですね。たぶん、私はノートパ
ソコンを持ってふらふらしていると思うので、そんな挙動不審な男を見かけた
気軽に声をかけて「語ろうか」での文句、意見、希望を言ってください。今回
はネタ集めも主要な目的の一つですから。

  討論集会は分科会での討論がメインです。人によっては夜になっての飲み会
の方が重要かもしれませんけど。それはさておき、全通研の討論集会ですから
やっぱり王道は「手話通訳設置制度」や「聴覚障害者の暮らしをみつめて」と
いった分科会だなぁ、と思います。が、討論集会の内容は継続的に話が続きま
す。私が最初に参加した分科会が「手話サークル」なのでちょっと今からそっ
ちの方に行くのは、腰が引けてしまいます。

  そういうわけで、私は「手話サークル」以外の分科会はわからないので、他
のに参加した方は、そちらの状況も教えて下さいね。どうぞ、よろしくお願い
します。

  ところで「語ろうか」は等幅フォントで読むことを想定して書いていますが
人によっては、「なんでごちゃごちゃした文章だろう」と思っている人もいる
でしょう。そんな場合は次のページの設定を参考にして下さい。

  メールマガジン愛読者のためのメールソフト設定方法
  http://www2.osk.3web.ne.jp/~kazikeda/mua/

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  では、今回のテーマも手話サークルです。

  手話サークルの分科会の内容はだいたいいつも同じなんですね。先日、関東
ブロック集会の報告会があって、手話サークル分科会で話題になったことを聞
きましたが、やはり同じでした。

  a. 会員の入れ替わりが激しい。
  b. 内容がマンネリ化している。
  c. 役員のなり手がいない。
  d. 聾者の参加が少ない。
  e. 行事への参加が少ない
  f. 手話の会話、通訳技術が伸び悩む。

こういった問題を踏まえつつ(だと思いますが)、今回の討論集会での討議の柱
は次の3つです。

  1. 聞こえない人たちと共に歩む手話サークルのあり方を、あらためて確認
     しあおう。
  2. 介護保険の実施や統一カリキュラムによる養成開始などの新しい情勢の
     中で、地域に根ざした手話サークルの役割を考えよう。
  3. 手話サークルの運営や学習方法などの情報を交換しよう。

まぁ、妥当なところでしょう。aとdは1に、2はbに直結していますし、3はなん
でもありということでしょう。今回はホットテーマということで介護保険や統
一カリキュラムが取り上げられていますが、わざわざテーマに含めるあたりに
全日ろう連の意図を感じます。この点はちょっと参加者の感覚とずれがあるよ
うに感じます。前の語ろうかで紹介した「手話サークルに対する方針」の時も
そうなんですが、全日ろう連からの要請と手話サークルのやりたいことには、
ちょーっとずれていると感じてます。両方追い求められればいいんですけど、
いかんせん、手話サークルの人材不足は深刻。介護保険を話し合う前に、まず
会員をしっかり定着させないと話になりません。

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  先週、手話の学習方法についてちょっと触れたので、一応それがマンネリ化
への一つの答えって事で、今回は、それ以外の問題について考えていきましょ
う。

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  会員の入れ替わりが激しいということは、入る人が多く、そして辞める人も
多いということです。入る人が多いのは、最近の手話ブームの影響だというこ
とで、よくわかるんです。逆になぜ、サークルを長く続けてくれる人が少ない
のか。なぜ、1年ぐらいで辞めるのか。

  ちょっと原因を考えてみましょう。

  - 期待はずれだった
    手話サークルが社会的に、または行政面からボランティア組織に分類され
    ています。世間一般に、ボランティアは「何かをやってあげたい」人によ
    るものです。それは良い面もあるし、単なる自己満足かもしれない。社会
    的に考えれば有用な資源となるし、人間的にもそういう欲求は自然なもの
    と思います。
    でもねぇ、手話さーくるってのは、ちょっと違うんですよ。最近のボラン
    ティアブームの中で、手話サークルに「何かをやってあげたい」人が来る
    のは当然の帰結。でも、手話サークルで、何かをやってあげるためには、
    手話ができるようにならなくてはならない。それには何年もかかります。
    中には何年かけても役に立つまでに手話が修得できない人もいる。それに
    手話通訳はボランティアではありません。ボランティアで必要なのは、ろ
    う運動などの会議や交渉事で、手話サークルというイメージからかけ離れ
    たところにあります。そうなると、期待外れで辞めてしまうのは自然の道
    理でしょう。

  - 元々、そんなに長く続けるつもりがない。
    お花にお茶。お稽古事は、いつの時代でもある種の人たちには根強くあり
    ます。手話のドラマが流行した頃から、なんとなくですが、お花にお茶に
    手話がお稽古事になってしまったような面があります。まぁ、英会話もそ
    んな面があるからしょうがないかな、と思いますが、こういう人は、ある
    程度の達成感を得ると辞めていきます。私は、本人にとってもサークルに
    とってもその方がいいと思います。もし、うまく考え方を転換できるよう
    に説得できれば話は別ですが、お稽古事の延長で手話を勉強されても、ま
    だ日本では、そういう人を受け止める土壌はないと思います。つまり、手
    話をお稽古事で身につけられても、本気で取り組んでいる人に迷惑だとい
    うことです。

  - 手話を覚えてしまった
    たまにいます。言葉覚えのいい人が。初級講習会で単語を教えるとスポン
    ジが水を吸い込むように覚えてしまい、2ヶ月もすると日常会話ぐらいの
    語彙を修得してしまう。そして、1年もすると、もう何年もサークルにい
    るような雰囲気を漂わせて、聾者と話をしているような人が。そういう人
    は、その後2つに分かれます。1つは手話にずっと関わっていく人。もう1
    つのパターンは、もっと別の世界に飛び込んでいく人。後者はパワーが有
    り余っているんでしょうね。手話サークルでは、そのパワーを発揮させる
    には小さすぎるということがあります。うまく全通研などにつながってい
    くといいんですけど。もしくは聾者劇団とかDproとか、縁や地理的な問題
    もありますけど、そういう活動につながるといいんですけどね。

  - 手話サークルがつまらない
    これが一番ありそうな理由ですよね。これは手話サークルのマンネリ化に
    つながる話だと思いますが、それが楽しいサークルのマンネリならまだし
    も、つまらないサークルの繰り返しって事がありますよね。私にも経験が
    あります。聾者1人と健聴数人、しかもあまり聾者が教えてくれるタイプ
    ではなくて、毎週なんとなく集まって、市販のテキストを開いて、健聴者
    が手話表現を考えながら、それをたまに聾者からチェックされる。で、時
    間になると三々五々解散というのを1年ぐらいやったことがあります。私
    自身サークルの動かし方がわからないのもありましたが、このときはどう
    しようもなくつまらなかった。辞めなかったのは、なんとなく辞めそびれ
    てしまっただけで、私と同期で入った人で今、続けているのは1人だけで
    す。この時の経験が、サークルをなんとかしていこうという動機になって
    ます。

  - 生活の変化
    卒業、結婚、異動。これはしょうがないですよね。私も就職でサークルを
    移りました。サークルは本職にはなりませんから、どうしたって食べるた
    めの活動が優先されます。こうやって辞めていった人には、どこかで復活
    してくれればいいと思うのですけど。
    ただ、だからといって、学生、未婚の人を相手にしないというのも考えも
    のです。実際、私は手話サークルに入った時に学生だったので、手話の修
    得にすごく時間がかかるとわかってから、いまいちサークルにのめり込め
    ず、そして私がサークルに受け入れられていないな、と思う時期がありま
    した。結局、自分自身の予想にも反して、9年もいることになったのです
    が、振り返ってみると立場や仕事が理由で離れるよりも、なんとなくいな
    くなる人の方がずっと多いんですよね。そう考えると、どんな人でも条件
    は同じ。どうなるかは神のみぞ知る。結局は、サークルにいる人はどんな
    人にも頑張ってもらうべきで、そうさせるべきです。

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  人が辞めていくのは色々な理由があるといえ、期待はずれなんて理由で辞め
ていくのは残念だし、将来の貴重な人材が埋もれてしまうのはもったいない。
これをくい止めるには、魅力あるサークル作りしかないと私は考えてます。こ
れが某宗教団体だったら説得や洗脳で引き留めてしまうのでしょうけど、そん
なことはやりたくないし、やってはいけないでしょう。だから後ろ向きな努力
かもしれませんけど、私としては、サークルへの魅力で人を引きつけたいので
す。それに、この方法は自然と他の問題への解決につながります。
  というのは、次のような循環が作れるからです。

    1. 魅力あるサークルを作る
    2. 人材が育つ
    3. サークルスタッフが増える
       それで1に戻る

  とてもサークルで楽しく、有意義な時間が過ごせたら、自然と他に広めたい
と思うでしょう。そんな人なら役員になってサークルの運営に関わってくれる
はずです。役員のなり手が少ないなんてこともなくなるはずです。
  そして、楽しく、有意義なサークルは当然、マンネリな内容ではないはずで
す。創意工夫にあふれた学習方法、様々な行事、視野を広める講演があるサー
クルなら、辞められるはずがありましょうか、いやないでしょう。(2重否定は
強い肯定ですよ。)

  ということで、このような良い循環が作れるかどうかに、サークルでの問題
解消の鍵があるはずです。循環は「輪」ですから、どこから作っていくのかは
時と場合によります。人材がたまたま集まってくれば、そこからスタートして
循環が作れますし、人がいなければまずは学習方法の改善から少しずつやって
いくしかないでしょう。それは先週のテキストを使っていくのも手でしょうし
ろう協からの助け船が必要なことも多いでしょう。「語ろうか」が少しでも、
そのお役に立てれば幸いです。

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  では、また来週。人によっては週末お会いしましょう。

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