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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

No. 30                                              2001年 1月24日発行
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  みなさん、こんにちは。

  今更になって気がつきましたが、先週の「語ろうか」の発行日は阪神・淡路
大震災の日でした。それにちなんだ話をした方がよかったかなとも思いますが
私自身は、あの救援活動にほとんど関与していなかったので、また別の機会に
お話ししましょう。

  ところで、今回は5回区切りの30回ですので、自分に関係したことをテーマ
にしたいのですが、ピンとくるものが思いつきません。そこで、色々な活動に
関わるきっかけになった県サ連についてお話しします。

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  私は初級講習会をなんとなく受けて、手話サークルに入ったのですが、その
時はなんとなく、手話を勉強して、行事に参加してと4年ほど過ごしてきまし
た。それが変わったのが、4年目の確か2月ぐらい。サークルのYさんに「今度
県サ連の会議ってのがあるんだけど、私、都合悪いから代わりに出てくれませ
ん?」と言われたのです。その時、私は進学も決まり、その学校が遠いことも
あって車を入手したので、あちこちに行くことができるようになりました。そ
れで、それが大変なこととの始まりと感づくこともなく、二つ返事で了解した
のでした。

  そして、その会議の日。「会議の代理って言っても私なんか役に立つんだろ
うか? まぁ、あとでYさんに伝えればいいんだろう」ぐらいに思っていた私は
騙されていたのに気がつきました。なんと、その日に集まった人が、来年度の
県サ連役員候補だったのです。ガーン、県サ連って何? 役員って? 来年から私
はどうなるの? Yさん、あなた、これを知ってましたね...ということで、断れ
ない私は、そのまま県サ連事務局で動くことになったわけです。

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  ここで少し県サ連のことを説明しておきましょう。

  県サ連の正式名称は、石川県手話サークル連絡協議会。今年創設20周年を迎
えたので、できたのは1980年ということになります。当時の名称は石川県手話
サークル連絡会と、協議、が抜けてました。ちょうど20周年の記念誌が手元に
ありますので、それを見てみると、1981年に全国ろうあしゃ大会が石川県で開
催されるにあたり、手話サークルの協力が欲しいので、その統括組織として作
られたのが県サ連とのことです。最初は9サークルで結成。そして、ろう協、
県サ連で全国大会を乗り切ったそうです。今ではろう協、全通研、県サ連の三
者で活動していますが、全通研石川支部の結成はもうちょっと遅くて、1984年
だそうです。

  その後、アイラブパンフ運動や不当立ち退き事件があり、1989年に名称が石
川県手話サークル協議会になります。なんで名称を変更したかというのを関係
者に聞いたことがありますが、活動が単なる連絡だけに収まらなくなってきた
こと、つまり、ろう運動の一翼を担う団体として主体的な活動を求められてい
たということがあったそうです。それで心機一転、名称を変更したのだそうで
す。

  私が石川に来たのはちょうどこの頃。でも、県サ連の存在なぞ知るはずもな
く地元のサークルに通っていました。(そういう重要な組織のことがサークル
に伝わっていないというのも問題ですが。)

  現在の県サ連は県内19サークルが参加する組織となっています。規約では、
加盟サークルの会員は全て県サ連の会員ということになっているので、現在は
600名程度の団体ということになっていますが、前述のように県サ連の存在が
知られていないことがあるので、そのあたりは問題です。一応、各サークルに
県サ連代表者が2名いて、県サ連事務局からのお知らせを流したり、サークル
からの意見を事務局まであげることになっているのですが、このあたりは代表
者の熱心さに依存するという弱点もあります。
  事務局は県サ連の役員の集まりで月に1回以上事務局会議を開いて色々な議
案を話し合います。役員には会長、副会長、事務局長、書記などの普通の組織
によくある役職と事業部長、企画部長、機関誌部長、防災対策部長の4人の部
長があり全部で14名ほどいますが、役職名にはあまり意味はありません。会長
が通訳で忙しければ、大会への会長出席依頼に会計が代理で出ていくこともあ
りますし、書記が企画をたてたり、機関誌を企画部長が作ったりします。これ
は時間の都合ということもありますし、地理的な都合でもあります。石川県は
縦長の形をしており、なるべくあちこちのサークルから役員として参加しても
らっているので、加賀や能登の方の事案はその地域の役員が担当した方がいい
こともありますし、あえて遠い所から説明に行くときもあります。議題処理の
担当決めはかなり柔軟です。

  さて、県サ連は元々ろう協からサークルの連絡組織として期待されてできた
わけでサークルの自主的な活動は後からついてきたようなものです。現在も端
からみていると、事務局とサークルが分離しているような印象も受けます。つ
まり、事務局が何か勝手に決めて、それをサークルに落としていくだけだと言
われることもあります。確かにそういう見方もできますが、事務局もサークル
からの意見吸い上げに努力しています。そういうこともあり、県サ連があるの
で、石川県内のサークルは足並みをそろえて活動できるという面があります。

  さて、事務局では何を話し合っているのか、興味あるところです。ここで事
務局会議の議事録をちょっと見てみましょう。(この資料は実はあるWebサイト
で見ることができるのですが、今回は特に興味深そうな項目だけ抜粋します)

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  平成10年度1月 県サ連事務局会議 記録

  1999年1月18日  聴覚障害者センターボランティア交流室
  出席:佐藤、高田、岸、津田、門倉、徳田、塩原
  1. どんぐりの家について
  ・中橋氏の金沢訪問
    4月3日全国上映委員会で全国各地区の状況を報告するため、1月10日に
    中橋さんが金沢に来られた。高田、徳田が対応。石川県の上映会につい
    ての資料を中橋さんに渡した。上映会を通じて地域がどのように変わっ
    たのか具体的に教えてほしいとのことなので、後日森川さんの方から中
    橋さんに連絡してもらう。
    又、2月21日に加賀市で上映会が行われたあと、来年度どんぐりの上映
    を学校行事に組み入れてもらうために、県福祉課並びに県教育委員会へ
    の依頼などの準備を早く進めなければならない。
    その他、市社協主催の上映会が増えると予想される。例えば、行政サイ
    ドの研修会などで上映を薦めるのも良いと思われる。

  (中略)

  4. 差別法規撤廃運動について
  ・1月7日に石川県の事務局会議が行われた。野々市では12月に募金運動が
    できなかったが、今度募金運動をすることで確認された。
  ・学習会に欠席だった地区に内容を報告しに行く予定。1月27日、小松、
    加賀地区。28日は能登(穴水)で行う予定。
  ・2月10日東京でで中央集会がある。石川県からは、経田、田中、浜野、
    開田、鴻野、あともう1人派遣予定。内容はアメリカの聴覚障害者の方
    で、医者、看護婦など資格をもっている人の、実際の話、体験談などを
    聞く。その後国会へ行き、関係省庁をまわり、請願書を提出する。
  ・石川県に「意見書」を提出したところ、12月15日に採択された。12月25
    日石川県を通じて国へ提出される。次は県内各市町村の採択にむけて議
    会に意見書又は請願書を提出し、働きかける。

  5. 推進委員会より報告
  ・次回は1月19日に開かれる予定。引き続き河北地区、野々市、鶴来につ
    いて話し合われる。又、河北での設置についての意見を京都の小出さん
    に伺い、その報告がある。他に、河北ろう協で役場と話をしていること
    の報告がある。(1.職員数は? 2.正職か嘱託か? 3.仕事の内容は? 4.異
    動があるのか? 5. 給料はどこから出るのか? 等)
  ・複数設置をめざす。最低男女2人設置することが必要。しかし、もし1人
    の場合は医科大学病院ははずしてもらう。(病院につきっきりになるこ
    とが予想されるので)いろいろな体制を考える必要がある。
  ・行政に設置する場合は将来移動(庁内)できるような採用方法がよい。
  ・ろう協の職員の給料を公開してもいいのではないか?

  6. 準備会より報告
  ・『どんぐりの家』の寄付金の行き先を明確にするため情提準備委員会の
    開催を要請する。

  7. 機関紙部から
  ・ろうあ石川
  2月担当は吉本。
    - 役員募集
    - どんぐり加賀市上映について
    - 学校上映会について 
    - 中橋さん金沢訪問について
  ・紙ふうせん
    (中略)
  - 討論集会(岐阜県)の報告ものせる。
 
  8. その他
  ・来年度から講習会の制度がかわる。新カリキュラムのなかに「ろうあ者
    との会話」という項目があり、手話サークルに講習会の受講者が参加す
    る形をとることになる。これについて県サ連としての見解を事務局で提
    示したらどうだろうか? 講習会がサークルに参加することによって自分
    のサークルをどのような方向へ導くか、考えるきっかけになるのではな
    いだろうか?
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  この記録を見てわかるように、サークル間の連絡役としての仕事は実はかな
り少なく、というよりは、ほとんどそういう要求はありません。サークルより
はろう協や全通研から話や団体としての動きが多いのです。なかなか色々なこ
とをやっているでしょ。どんぐりに設置に差別法。そして、この記録は各サー
クルに送られます。たまに書記がダウンして遅れたり、送られないことがある
のが問題ですが、この情報が毎月サークルに流れれば、状況の把握にかなり役
立つのがおわかりでしょう。県内のどこのサークルでも河北地区で手話通訳の
設置運動が進んでいる状況がわかるのです。また、「8.その他」を見てくださ
い。新カリキュラムについて、健聴団体である県サ連カリキュラムの内容をつ
かみ、手話講習会についてろう協に提案しようというのです。ここに、福祉大
会のパンフに名前を載せるだけの形式だけの協力ではなく、共に歩んでいる様
子がうかがえます。ここに石川の強さの片鱗があると思います。

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  石川県では、ろうあしゃ団体の県ろう協、通訳者の全通研、サークルの県サ
連の三者が一緒くたになって活動しています。ろう協がしっかりしていること
はもちろんですが、パートナーの健聴団体の層が厚いのも重要だと思います。

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  では、また来週。

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