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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

No. 29 Rev.1                                        2002年 9月11日発行
pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_pq_p
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  皆さん、こんにちは。
  いつの間にか夏も終わって、すっかり涼しくなってしまいましたが、いかが
お過ごしでしょうか。少なくとも、私がコレを書いている時は、クーラーがい
らなくなるほど涼しくなり、ようやく原稿をまとめている次第です。

  最近、とても心に響くような感想や、鋭い質問、そして紹介したい書籍など
が相次いで私の元に届いており、原稿を書きたい気持ちがドンドン大きくなっ
ているのですが、いかんせん本業やらが忙しく、メルマガどころか、メールへ
の返信さえできていない状態です。メールは全部読んでます。皆さんからの
メールは、文句であれ、感想であれ、とても私の励ましになっています。いつ
も味気ない広告メールやら英語のいかがわしいメールばかりなのに、たまに日
本語で手話への思いが書いてあるメールを読むと私も元気になります。特に、
この1ヶ月の間に「おぉ、これは!」と思うようなメールをいくつかもらって
いましてこのメルマガでテーマに上げたいと思っているのですが、どうにもこ
うにも、余裕がないのです。なんか、いつも同じ様なことを言っていているよ
うですけど、ホント、申し訳ありませんけど、今しばらくお待ち下さい。

  支援費とか、書籍紹介とか、もう出さないと賞味期限切れになってしまう話
題もあるのですが、ちょっと新作は荷が重いので、またしても再配信ですが、
ご勘弁下さい。新規登録して頂いた何百人かの皆さんは、なんのことやらわか
らないかもしれないので、改めて説明しておきますと、「語ろうか、手話につ
いて」は基本的には、私、徳田の言いたい放題なんですが、その言いたい放題
さえ追いつかない時、昔の原稿を多少修正して流したりしています。それを再
配信と読んでいます。今回は、No.29の辞書の比較に、最近出版された辞書情
報を追加した原稿です。もし、手話の辞書を買おうと思っている方は参考にし
て下さい。

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  辞書を作るのは一生の仕事といわれています。一般的な辞書の作り方は、ま
ず新聞や小説などから単語を採取し、カードを作成していきます。このカード
には単語、用例などを記入しておき、これを整理し、辞書としてまとめていき
ます。単純な作業ですが、単純だからこそ大変な作業です。例えば、日本で一
番信頼性があると思われている岩波書店の「広辞苑」の第一版は1955年に出版
されています。それから40年かけて5版まで改版され、その後も年々改訂を続
けています。私の手元には第4版がありますが、この収録語数は約22万語で
す。1日100語作るとして7年ちょいかかる計算です。しかし、1語につき、品詞
を決めて、その説明文を作るという作業が必要なわけで、どこかで聞いた話に
よれば、普通の人なら1日50語作れれば良いほうなんだそうです。おまけに、
派生語をまとめて、見出し語の揺らぎをまとめていったりと、辞書を作る作業
はとにかく大変です。普通は5〜20人がチームになり、何百人の協力者がい
て、辞書は作っていくものです。

  ということで、以下に紹介する辞書も大変な苦労があったとは想像できるの
ですが、それはそれ、これはこれ。今回は使用者の立場で、私の独断と偏見で
辞書を評価していきます。独断ですから、売れなくなっても文句は受けつけま
せん!!

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  では、年代順に。

  最初は「わたしたちの手話」です。全日本ろうあ連盟発行。正確には「わた
したちの手話」では辞書ではありません。しかし、昭和から平成に変わる頃、
手話の単語を列挙した本で一番メジャーなのはこれでした。「わたしたちの手
話」は10巻の単語集と別冊の新しい手話IとII、スポーツ編、そして検索用の
「総さくいん」から成ります。単語集には日本語の見出しと手話の絵、絵の説
明があります。辞書でないという理由はここにあって、辞書にはその見出し語
の意味が解説されている「語釈文」が不可欠です。しかし、「わたしたちの手
話」は日本語見出しから言葉の意味を推測するしかありません。これでは正確
に手話の意味を把握することができません。また、品詞や用例が載っていませ
ん。

  このように「わたしたちの手話」は辞書としての要因が欠けていますが、長
い間、日本の手話の手引きとして活躍してきました。今となっては歴史的な価
値しかないと思いますが興味のある方はどうぞ。ちなみに、会話編というのが
1〜3巻まで出ていますが、わざわざ買うほどの個人的には価値はないと思って
います。

  わたしたちの手話 1〜4      : 927円 (税別、以下同じ)
                   5〜10     : 824円
  わたしたちの手話スポーツ編 : 1262円
  新しい手話1〜4             : 1〜2は1262円、3〜4は1500円
  わたしたちの手話 続I       : 1165円
    いずれも 全日本ろうあ連盟 発行

  いずれも、Yahooでも購入できますが、とりあえず総索引のURLをご紹介して
  おきます。
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=30988999

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  次にご紹介するのは「イラスト手話辞典」。これは手話パフォーマーとして
名高い丸山浩路氏が編集した辞書です。第1巻の初版は1984年に発行されてい
るので相当古いものです。その続編が突然1998年に出版されました。個人的に
はとても驚かされました。続編より、改訂が先だろうという気もするんですけ
ど。
  さて、内容ですが、I、II巻共に2000単語が収録されており、日本語見出し
手話の絵、絵の説明、そして手話の動きの意味が載っています。これは語源と
もみなせる説明文です。

  I巻はかなり頻出単語が出てきますし、その手話もおおむね妥当なところが
載っています。1990年ぐらいならお勧めだったのですが、今ではもっと他に良
い辞書があるので、これをわざわざ買う必要はない、というのが正直なところ
です。それに2分冊でかさばるし。ちなみにII巻には、I巻も含めた索引があり
ます。

  イラスト手話辞典 I  : 3806円 (税別、以下同じ)
  イラスト手話辞典 II : 3800円
    ダイナミックセラーズ出版
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=02765837
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=28392676

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  3番目にご紹介するのは「新・手話辞典」。発行は福祉と法律に強い中央法
規出版です。この辞書は成り立ちが少々変わっています。まず語彙の収集はフ
ルスクラッチではなく、角川書店の「角川・類語新辞典」から3万語を採取し
ています。つまり、手話からではなく日本語を基準に考えているわけです。「
わたしたちの手話」も「イラスト手話辞典」も日本語から手話を検索する日手
辞書ですから、形式は同じなのですが、語彙の採取段階で手話を意識していま
す。その点、日手辞書なんだから日本語を基準に語彙を採取するのは手法とし
ては正しいと思います。その日本語は3万語を選んでいますが、その中から約
4000語は手話として、それ以外を複数の手話や指文字との組み合わせで表し、
2万語が収録されています。

  この辞書は1つの項目に見出し語、手話の絵、絵の説明が載っています。品
詞は載っていませんが、それはあえて考えなかったように見えます。それより
も、この辞書は同意語の検索が充実しています。例えば「援助」の欄をひいて
みると同形の手話として「援護、支援、後援、バックアップ、助ける、助成、
手伝う」が載っています。他にも漢字の音訓で読みが違う場合にそれぞれ異な
る手話が割り当てられている場合には印がついているなど、漢字を軸にした独
特の考え方で分類されています。
  漢字が軸として適当かどうかはさておき、日本語に対して複数の手話が対応
するのは直感的に皆さんにもわかるのではないかと思います。それをこの辞書
では漢字がそのつながりの鍵と考え、そのリンク情報が載っているわけです。
索引では全ての日本語見出しが載っていますから、上記の例の「助成」から「
援助」をひくことができます。

  「新・手話辞典」は日手辞書としては語彙数も多いし、索引もしっかりして
います。しかし、使いにくい... なんとも説明しにくいのですが、わからない
時にひいて役に立ったことがないのと、見ていて楽しい辞書でもないし、なん
かいまいちなのです。学術的にしっかりしているものが、必ずしも評判がいい
とは限らないってことの一例になるかと思います。あえて、使うとすれば、類
語辞典としては役に立ちそうです。

  新・手話辞典 4175円 (税別)
    中央法規出版
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=18635680

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  さていよいよ大物の登場です。「日本語-手話辞典」をご紹介しましょう。
これは全日本ろうあ連盟が「わたしたちの手話」に代えてお送りする本格的な
辞書です。お値段も本格的でしたけど。

  この辞書は従来の日手辞書と同じく日本語から手話を検索する辞書です。し
かしすぐれているのは、1つの日本語に対して複数の手話がついていることで
す。常識で考えれば、これが正常なのですが、不思議なことは今までの辞書は
日本語と手話が1対1で対応していました。確かに「わたしたちの手話」での「
あがる」のように例外的に対処しているものはありましたが、全ての語で語義
を考慮し、日本語と対応させたのは、この辞書が初めてです。問題は、手話に
慣れていないと、どれが正しいのかわからないということでしょう。例えば「
日本語-手話辞典」には「下がる」が9個載っていますが、そのどれでもない「
成績が下がる」の場合、いったいこの9個のどれになるのか、判断がつけられ
ません。実は、この場合「成績」の項目を見れば、どう表現すればいいのか推
測できるんですけど。でも、ひいて使うという点で使うのにちょっと知識が必
要なのは確かです。

  収録語数は4800語と従来の辞書より少し多い程度ですが、語彙の異なりがあ
るので全体では8000語程度のボリュームがあります。単語には手話の絵とその
動きの説明、用例、用例における見出し語の意味が載っています。辞書として
の機能をきちんと持っているという点でも画期的な辞書です。

  「日本語-手話辞典」は1つの日本語に複数の手話があることを改めて多くの
人に知らしめたこと、創作手話を入れずに使われている手話のみを収録したこ
とで、とても良い辞書なんですが、その値段と重さで買うにはちょっと躊躇し
てしまいます。もし、何かの機会で安く手に入れば一家に一冊と勧めたいので
すが、なんとか廉価版でも出ませんかねぇ。ところで、これは日手辞典ですが
逆引きの手話-日本語辞典の研究も進めているそうです。でも、登場するのは
数年後でしょう。

  少しこの辞書で引っかかるとすれば用例が日本語対応手話に近いことです。
でも「日本語-手話辞典」と標榜しているのだから、これは仕方ないところで
しょう。そこは割り切って、手話の語彙や意味にのみ注目して使うのがよろし
いかと思います。

  ところで、この辞書は国語学者の米川先生が監修しただけあってほとんどミ
スはみつからなかったのですが、133ページの「いばらぎ」は「いばらき」の
間違いですので、この辞書を買った方は訂正してください。(なぜか、全日ろ
う連の出版物は茨城が「いばらぎ」なんですよね。誰か気がついてもよさそう
なものですが。)

  一家に一冊欲しい、というところですが、お値段的にも、使いかってからし
ても、辞書というより漬け物石になってしまいそうな代物です。お金に余裕の
ある方、手話の語彙を深めたい(増やしたいではなく、深めたいであることに
ご注意)方、手話を研究している方にはお勧めです。逆に言えば、普通の人に
は、後で紹介する辞書の方がいいかなぁ、と思います。

  日本語-手話辞典 17619円 (税込みで1万8500円)
    全日本ろうあ連盟 出版
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=19998947

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  次にご紹介するのは「手話・日本語大辞典」。筑波付属ろう学校の元教諭竹
村先生の労作です。同じ出版社で「手話・日本語辞典」と「大」がない辞典が
あるのですが、それは忘れてください。この大辞典があれば十分です。

  この辞書のすごいところは手話から日本語が検索できる点です。このような
辞書は紙の辞書では、これだけです。どうやってひくのかというと、ひきたい
手話が両手なのか片手か、それから手の形、位置を辞書の索引で見ます。する
とそれに対応する手話が載っているページ数がわかるので、その部分をパラパ
ラと見ると目的の手話が見つかるというものです。文で書くとめんどくさそう
ですが、意外と簡単に見つかります。全日ろう連の辞書もこれで作ればいいの
に、と思います。

  「手話・日本語大辞典」の収録語数は約3000語。後ろに付いている日本語か
ら手話をひくための索引には複合語まで載っているので、13000語をひくこと
ができます。手話に対する動きの説明とある程度の語源説明が載っていますが
用例がないので手話の意味はわかりにくいです。

  ということで、この辞書は値段と持ち運び易さからは、かなりお勧めです。
ただ、少し手話の絵がわかりにくいこと、個人差のある手話表現が載っている
ことが気になります。手話の方言や個人差は、人によってかなりとらえ方があ
ると思うので、私の感覚が正しいとは言い切れませんが、あくまでも私の印象
では、この辞書の手話表現は、全国的に見て平均的に使われているとは言い難
いものが結構あります。そうなると、手話から日本語への検索にも問題がある
のですが、収録語数がもっとも多く、比較的コンパクトという点では、いくら
か長く手話を勉強している人にはお勧めです。もちろん、手話の形から単語が
ひけるのはこの辞書だけ。そういう機能が欲しい人は迷わず買い!でしょう。

  手話・日本語大辞典 3800円(税抜き) 廣済堂出版
    同じ竹村氏の「手話・日本語辞典」(800円ぐらい?)は収録語数が少なす
    なすぎて役に立ちません。題名がよく似ているので、ご注意を。
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=30535095

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  次にご紹介するのは、聾者劇団で有名な米内山氏が監修した「わかりやすい
手話辞典」です。収録語数は2000語で、イラスト手話辞典と同じで日手辞典で
す。正直なところ、いまさら、こんな辞典を出す価値はあるのか...と私は思
うのですが、載っている単語はごく基本単語で、表現も日本全国で定着してい
るものばかりですので、意外と需要はあるかもしれません。とはいえ、魅力に
欠けるのは事実。2000語は多いように思えて、意外と少なく、手話を1年も勉
強した人なら、この辞書に載っている単語は全部知っていると思います。それ
から単語の意味(語義)が全く考慮されていないのも問題です。「日本語-手話
辞典」という前例がありながら、いまだに単語集の域を出ない本を辞書と言っ
てしまうあたりがとても残念です。

  この本は、だいぶ印刷したようで、結構書店でも目につくのですが、あまり
お勧めしません。あえて買う人がいるとするなら、初級コースに通っている人
がその勉強の時にだけ使うために買うか、米内山ファンなら買うかな、という
ところでしょうか。

  わかりやすい手話辞典 2000円 (税抜き)
    ナツメ社
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=30723489

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  色々と手話の辞書を見てきましたが、ここまでくると、普通の単語集では勝
負できないことは明確で、これから出てくる辞書は、それなりの新機軸が入っ
ている必要がありそうです。そんな流れが読みとれるのが、次にご紹介する「
写真と絵でわかる手話単語・用語辞典」です。NHKの手話ニュースキャスター
としても有名な田中清さんが監修された辞書です。収録語彙数は2000単語と、
後発にしては少ないのですが、1つの単語で複数の表現が載っていたりするの
で実質は3000語ぐらいでしょうか。

  この辞書の特徴は並べ順と写真にあります。
  まず、単語の順番が「あいうえお」順ではありません。名詞は、基本、挨拶
人間関係、方角、教育、仕事などの分野ごとに収録されています。それから修
飾語と述語がまとめられています。一応、日本語の索引が最後についています
から、従来の手話単語辞書のように使うことができますが、あまり使いかって
がいいとは感じません。手話の講習会でのテキスト代わりになるような辞書で
すね。サークルの勉強ネタとしてはうってつけだと思います。
  それから、この辞書は手話をすべて写真で表現しています。実は写真による
手話辞典というと、「写真手話辞典」という天理教から出版されている本もあ
るぐらいで、とても珍しいのです。でも、イラストより、手の位置の前後関係
や方向、そして表情などをあわせて考えると、写真の方がとてもわかりやすい
ように感じます。その点で、この辞書はとても見てわかりやすいのです。

  ただ、手話単語そのものの説明はほとんどなく、これだけで辞書として使う
には少し無理がありそうです。語彙数的にも少なく、今、これを買う必要のあ
る人は少ないでしょう。辞書と言うよりは、少し分厚い講習会テキストと思っ
た方が良さそうです。載っている単語は、田中清さんの監修だけに、かなり標
準的で、全国的にも通じやすい表現が載っているので、勉強資料としては有用
です。サークルで勉強ネタに困っている人にはお勧めしておきます。

  写真と絵でわかる手話単語・用語辞典 1500円(+税)
    西東社
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=31011450

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  最後にご紹介するのは、NPO法人手話技能検定協会が満を持してお送りする
「ひと目でわかる実用手話辞典」です。収録語数は約3000語と、少ない気もし
ますが、基本用語として3000語あれば十分という考え方なのでしょう。これは
他の辞書も3000語ぐらいのものが多いことからも納得できます。

  単語の並べ順はオーソドックスな「あいうえお」順。イラストと解説から構
成されており、一見、とても普通の辞書です。この辞書は手話技能検定に即し
た勉強用に使うために、単語に級数が書いてあったりしますが、それ以外、特
に目新しい機構は盛り込まれていません。しいてあげるなら、ASL(アメリカ手
話)がたまに載っていることぐらいでしょうか。

  でも、この辞書はかなりお勧めです。まず、単語の解説が丁寧であるという
こと。これは辞書としての基本性能をしっかり持っているという点でかなり高
得点です。手話の表現方法、語源、同型の手話、そして例文と、1年ぐらい手
話を勉強した人なら、説明文を読めばその単語がどのように使われるかよくわ
かるようになっています。このあたりは「日本語-手話辞典」の良いところが
あると言えます。それから同型手話が載っているのは、新・手話辞典の良いと
ころ取りですね。このように、他の辞書の良いところを積極的に取り入れ、し
かも、どの単語についてもしっかり解説してある辞書は今までありませんでし
た。その点で、この辞書はとても使いかってがよろしいです。

  私が感心したのは、語源の項目で、よくわからないものは「不明」とはっき
り書いてあるところです。たまに、個人の直感的な説明を載せている本もあり
ますが、この辞書は定説や見た目に明らかな物以外はしっかり「不明」と明記
してあるところが偉いと思います。

  厚さもほどほど、紙質もいいし、この辞書は万人向けにお勧めです。

  ひと目でわかる実用手話辞典 2000円+税
    新星出版社
  http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=31017677

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  ということで、総括すると、まず誰にでもお勧めしたいのが「ひと目でわか
る実用手話辞典」、語数と手話からの検索をしたいという人には「手話・日本
語大辞典」、権威を感じてみたいという方には「日本語-手話辞典」というとこ
ろです。テレビの影響や講習会の普及のおかげで、全国的に手話の標準化が進
み、辞書が作りやすくなっているという事情はあると思いますが、これからは
実用手話辞典を越えるものでないと、手話の辞書は売れないでしょうね。それ
ぐらい、なかなかいい辞書が出てきたなぁ、と思いました。

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  次回は、お便り紹介、の、予定です。でも、予定は未定。
  ではでは。

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