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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

No. 1 Rev.2                                         2002年 4月10日発行
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  皆さん、こんにちは。電車は学生や新入社員の分だけ混雑する季節になりま
した。もうちょっと我慢すれば、少しだけ元に戻るんですけどね(--;)

  そんなわけで、今回の「語ろうか」は、新しい年度にふさわしく、サークル
に初めて行く人のためのアドバイスをお送りします。元原稿は、No.1(2000年
7月5日配送)と、その改訂版であるNo.1 Rev.1(2001年7月11日配送)です。今回
はサークルの探し方について補足しました。

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  さて、本題に入る前に、前回(Ex-No.20)のテレビの話について、掲示板に寄
せられた情報をお知らせします。
  Ex-No.20では、「『探偵ナイトスクープ』という番組で、ある中学校の先生
方が「すごーい」という手話をやっている。こんな風に自然と手話が広がって
いくといいなぁ」と書いたのですが、これについて貴重な情報が寄せられまし
た。

  sasaさんより
  > タイトル: いつも楽しく拝読しています
  > | それを見た先生達が「おぉ!」「すごーい」と言うのですが、数人が手
  > | 話で「すごい」と表現しているんですわ。へぇー、と思いました。自然
  > | と手話がじわじわと広がっている、そんな感じがして、なんか嬉しく
  > | 思ったのです。

  > 徳田さーん、それはちょっとちがいます。
  > あそこはですね
  >「大阪市立聾学校」だったんでございますよ。はい。

なるほどー、そうだったんですか。ちょっとがっくり、でも納得です。ろう学
校の先生なら手話が思わず出ても不思議でもなんでもないですね。
  ということで、ちょっと私の意図とは違うことが判明しましたが、みなさん
も、テレビを見ていて、ごく普通の場面で手話を見ることがあったら、掲示板
にでもご報告下さいませ。

  では、いよいよ本題「サークルに行ってみよう」の始まり始まり。

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  私は学生時代からかれこれ10年近くホームページを開いていますが、そうす
ると、色々な問い合わせがあります。中でも、一番多い問い合わせが「○○地
域の手話サークルを教えて下さい」というものです。そんなことを言われても
私もなんでも知っているわけではないので(というより、知らないことの方が
多いですよ)、なかなか良い返事ができないでいます。でも、手話に触れるな
ら手話サークルが一番手っ取り早いと、私も思うので、そのような質問をして
くる人達の気持ちはわかるし、その意味では正解だと思います。
  講習会やカルチャーセンターで勉強するという方法もありますが地域によっ
てはカルチャーセンターはありませんし、講習会も時間の都合があわなかった
りします。どこにでもあってろうあ者もいるサークルが手話入門の場としては
最も良いのではないかと思います。

  しかし、残念ながら日本全国サークル一覧のような資料は存在しません。で
すから、サークルはとにかく足で探すしかないんですよね。数年前まで、私も
あちこちのサークルを探して歩いたので、その時の方法をご紹介しましょう。

 - 市役所や町役場、区役所の福祉課に聞いてみる。

    福祉課やそれに準ずる課では、地域の手話サークルの動きを把握している
  ことが多いようです。また、最近では手話サークルをボランティア団体とし
  て登録していたりするので、役所に聞いてみて損はないと思います。
    ときには、いかにもお役人的な対応で何も聞き出せなかったりもしますけ
  ど、それはそれ、これはこれ。辛抱強く探してみましょう。

 - 公民館や文化センターの登録団体を調べる。

    手話サークルは、公民館、福祉センター、なんとか文化会館のような場所
  で活動していることが多いです。ですから、そういう建物をこまめに調べて
  いくと、手話サークルを発見することがあります。そういう建物には、サー
  クル募集と銘打って、様々なサークル活動の宣伝ビラを貼っている掲示板が
  あったりします。さらに、公民館に置いてある活動団体の一覧表のパンフや
  今日の活動サークルを示した黒板などに「手話サークル」と書いてあればし
  めたもの。私が手話サークルを見つけるのも、この方法が多いです。
    奥の手としては、公民館の事務員さんに、「手話サークルってここで活動
  していませんかね?」としらばっくれて聞いてみるのも一つの手です。私の
  場合、「あぁ、昔はここでやっていたけど、今は○○公民館にいるよ」なん
  て教えてもらって、新たに手話サークルを発見したこともあります。

 - 電話帳で「ろう協」を調べて、そこに聞いてみる。

    「聴覚障害者福祉協会」といった名前で電話帳を見てみると載っていたり
  します。載っていないこともありますが、載っていればしめたもの。そこに
  聞いてみれば、少なくとも手話サークルがあるかないかぐらいは教えてもら
  えるでしょう。もっとも、ろう協自体が存在しない地域も多いので、この方
  法はあまり確実ではありませんが。面倒でなければ、電話帳でなくて、福祉
  課まで足を運んで聞けば、ろう協があるかないかぐらいは知っているはずで
  す。
    ろう協は県よりも市町村レベルの団体の方が正確なサークル情報を持って
  いる傾向があるように思います。
    それから、問い合わせの時はFAXを持っていた方が便利です。地図ももら
  えるかもしれませんし、今後、聴覚障害者と連絡をとることが多くなるなら
  FAXは持っていた方がいいでしょう。

 - 全通研会員つながりを利用する。

    全国組織である全通研を利用する手もあります。全通研は各都道府県に支
  部があって、その会員はたいていどこかの手話サークルに所属していますか
  ら、どこかにいるはずの全通会員を発見すればしめたものです。
    なお、全通研についての詳細は「語ろうか」のNo.42をご覧下さい。

 - インターネットで探す。

    本当に実用に耐えうる情報がインターネットに載るようになってきたこと
  をいまさらになって実感しています。かなりのサークルを調べられるように
  なってきました。インターネットの欠点として、情報が古かったりして、今
  現在のことなのか、過去のことなのかがわかりにくいのが玉にきずですが。
  あと、BBS(掲示板)やML(メーリングリスト)を使って聞いてみるのもいいで
  しょう。MLは登録するのが少々面倒かもしれませんが、以下の「Openコミュ
  ニケーションML」や「手話っていいねML」は、全国的に会員がいますので、
  たいていの地域の手話サークルはわかるはずです。

  デフユニオン
    http://www.deaf.or.jp/
    http://www.deaf.or.jp/chart/syuwa_c.html  (手話サークル一覧)
  「デフユニオン」は、聴覚障害に関する総合的な情報サイトとして有名で
  す。この中の手話サークル一覧は、比較的古くから、長い間ページを維持し
  ている所を中心に載せているようです。

  手話っていいね メーリングリスト
    http://www.ras-cal.com/sign/
    http://www.ras-cal.com/sign/slnavi/navi.cgi (全国手話サークル検索)
  手話関係のメーリングリストとしては、現時点でかなり活発な流量を持つの
  が、この「手話っていいね ML」です。このMLの公式Webページには、かなり
  すごい手話サークル検索データベースがあったのですが、最近は調子が悪い
  ようです。復活に期待しています。

  しゅわっ'S
    http://www.yama.ne.jp/shuwa/
    http://www.yama.ne.jp/shuwa/search/index.html   (サークルサーチ)
  聴覚障害関係のデータをとにかく集めまくっているWebサイトです。
  都道府県別に手話サークルを調べられます。データはちょっと古いようです
  が、それでも結構な量のデータがあります。

  Googleで検索
    http://www.google.co.jp/
  これは普通のWeb検索ツールですが、その膨大なデータの中には当然手話
  サークルも含まれています。キーワードとして「手話サークル」を入力する
  と10600件が引っかかります。私の住んでいる所とあわせて「手話サークル
  八千代市」で検索しても29件表示されました。す、すごい。

  Biglobe のattayoで「聴覚障害」を検索した結果
    http://dir.biglobe.ne.jp/dir/182183/176880/179600/190027/190030/
  インターネットでは他にも色々な検索サイトがありますが、まあまあ質が良
  かったのが上記のBiglobeのサイト。数は少なかったですけど。

  Open-comm MLのホームページ
    http://www.catnet.ne.jp/mountain/j_html/intropen.html
  聴覚障害に限らず、幅広くコミュニケーションを目的として設立されたMLと
  として、かなりの老舗ML。手話サークル以外の話でもなんでもこいというML
  ですので、参加しておいて損はないと思います。あと、インターネットのマ
  ナーを鍛えてもらえる場としても貴重かも。

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  このようにして、サークルも発見して、時間も都合をつけたら、いよいよ
サークルデビューです。張り切って、参加してみましょう。ありがちですが、
小さいところは突然休みだったりします。そういう場合は、次の週に行ってみ
ましょう。念のため代表者に電話してみるのも一つの手ですが、サークルの代
表者は、案外サークルに行ってないことが多いんです。形だけの会長とか多
かったりします。だから、基本は足しげく通ってみること。公民館なら、そこ
の管理人に聞いてみれば、潰れたり、引っ越しているかどうかはわかります。

  最初は見学ということで大丈夫なはず。あまりないのですが、講習会を受け
てからでないと入会できないって所もあります。でも、さすがに初めての見学
者を断るところはないはず。私も見学を断られたことはありません。そこが講
習会と違う、サークルの良いところです。

  最初は、手話ができるかできないか、なんで手話に興味を持ったのか、なん
てことを聞かれるので、あらかじめ考えていった方がいいでしょう。無理に手
話をしなくても大丈夫。その代わり「すみませんが、通訳をお願いします」と
言いましょう。最初は通訳してくれるはずです。
  でも、サークルに参加している人もまだ手話が得意でなかったりするので、
挨拶は簡単簡潔に。例えば「職場にろう者がいて、手話で話せたらいいと思っ
た」とか「客商売をしていて、ろう者のお客様が来るので手話が使えたら、と
思った」というような具体的な経験を話してみるといいと思います。私みたい
に、「暇だから」なんて人もいるかもしれませんけど、あんまりぶっ飛んだ意
見は、周りが白けてしまうのでそのあたりは常識の範囲で考えましょう。こん
なことは、私が言わなくても、当たり前の話ですけど。

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  さてこのようにして、手話サークルデビューを果たし、何回かサークルに
通ってみて、ちょっと別のサークルにも行ってみたりしてみると、なんとなく
状況もわかることでしょう。どうでしょう? あなたはサークルをずっと続けら
れそうですか?

  A. 「手話を覚えるまで頑張れそう」「聾者と会うのが楽しみ」
  B. 「退屈」「思ったより、手話の勉強がないのでがっくり」

  Bパターンの人って意外と多いんじゃないでしょうか。サークルに原因があ
ることもあるし、手話に対する先入観からガックリきていることもあると思
います。昨年、私の地域では夜の初級講習会が開かれないこともあって、うち
のサークルに入ってきた人は6人程度だったのですが、残念ながら今年に入っ
て全滅、つまり、この新入りの人たちは全然来なくなってしまいました。サー
クルがつまらなかったのかなぁ、それとも仕事が忙しくなったのかなぁ、と思
いを巡らせるのですが、とにかく来なくなってしまったものはどうしようもあ
りません。とても残念です。つい最近、4人ほど新しく入ってきた人がいるの
で、今度こそ、なんとか引き留めようと思っているのですが、たぶん全国的に
も新しく始めた人はいると思うので、そんな方々へ、私からのアドバイス、と
いうか希望です。

- どこか腰を落ち着けるサークルを探して、そこに2年は通って下さい。

    とにかく続けることです。だから、時間が合わない、通うのに不便、どう
  も馬が合わない人がいるという時には、どんどん別のサークルを探しましょ
  う。そして「ここだ!」と思ったサークルがあったら、絶対に続けて通って
  下さい。多少の不都合はどこに行ってもあります。まずは続けることです。
    なかなか覚えられない、という悩みは誰もが持ちます。手話は、簡単では
  ないのです。英語のように外国語を覚えるような要素があります。だから、
  そう簡単には身につかないことは「覚悟」しなければなりません。ですから
  少なくとも2年は通って下さい。2年は通えるサークルを見つけて下さい。

- サークルは、手話を使うこともできる場と考える。だから、積極的に手話で
  話す。

    サークルに行ったのに、手話を使わないで終わってしまう、そういうこと
  があります。なんて、もったいない! 他の人が口で話していても、自分は強
  固な意志を持って、手話を使って下さい。練習なんですから、下手なのは当
  然。少しずつでも手を動かさないと、絶対に覚えられませんよ。

- わからない単語は確認する。

    わからない単語は聞きましょう。話を中断してしまうのに躊躇してしまう
  かもしれません。でも、それに慣れてしまうと、わかっていると思われてし
  まいます。そうなると、後から大変なことになります。
    積極的に質問するようにしましょう。意外と他の人も知らないこともあり
  ます。1つの単語と思っていたら、実はいくつかの単語の組み合わせだった
  りします。知っている単語でも、違う意味だったりします。「おや、なんか
  話が通じないぞ」と思ったら、確認することです。
    キーワードは「もう一度お願い!」です。人差し指だけを立てて、顔の前
  に出すだけです。恥ずかしがらずに、遠慮せずに、聞きましょう。

- サークルは、他の行事に参加するための情報入手の場と考える。

    サークル活動なんて普通週1回です。言葉を勉強するには時間が少なすぎ
  ます。講習会や講演会、障害者体育大会や耳の日祭りなど手話が使えそうな
  イベント情報もサークルなら手に入ります。そういう所に行って、どんどん
  腕を磨きましょう。

- 役を引き受ける

    最初のうちはあまりないかもしれませんけど、それでもハイキングや講演
  会を開くといったイベントは大抵のサークルで年に2、3度はあるはずです。
  そういう時の係は積極的に引き受けましょう。
    係や役を引き受けると、自然とろう者と話さざるを得ない状況に追い込ま
  れるわけです。そうすれば手話にふれる機会が多くなりますから、絶対に上
  達します。もっとも、本当の初心者が突然係を引き受けることは難しいとは
  思いますが、1年ぐらい通ってみたらサークルの状況はわかりますし、自
  分のできる範囲で係や役を引き受けてみましょう。
    結局、そういうことの積み重ねがやる気を見せることにつながり、顔を覚
  えてもらえるわけです。名前と顔が一致しないような人同士では手話を勉強
  するどころではありません。機会があれば、積極的に活躍してみるのが大切
  だと思います。

  サークルの雰囲気や地域ごとの事情もあるので、これがベストの方法ってわけ
でもありませんが、とにかく長続きするように頑張ってみて下さい。

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  今日はこのへんで。来週の水曜日にお会いしましょう。

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